【登壇レポート】AWS Summit Japan 2026 Builder Community Loungeで「AgentCoreの機能、全部要る? ユースケース別にAWSサービスとの組み合わせ方を一緒に整理しよう」というタイトルでチョークトークしました

【登壇レポート】AWS Summit Japan 2026 Builder Community Loungeで「AgentCoreの機能、全部要る? ユースケース別にAWSサービスとの組み合わせ方を一緒に整理しよう」というタイトルでチョークトークしました

AWS Summit Japan 2026でAmazon Bedrock AgentCoreについてチョークトーク形式で登壇した際のアーキテクチャ設計のディスカッション内容をまとめました。
2026.06.27

こんにちは、Amazon Bedrock AgentCoreが大好きなコンサル部の神野(じんの)です。

今回はAWS Summit Japan 2026のBuilder Community Loungeにて、チョークトーク形式で登壇させていただきました!
まさか自分がSummitで登壇できるとは・・・といった感じでびっくり嬉しいといった感情でした。

チョークトークは一方的にスライドを見せるのではなく、来場者の皆さんと対話しながらホワイトボードで整理していくスタイルです。re:Inventではチョークトークはよくある形式なのですが、日本でこの形式をやるのはあまり見たことがなく自分自身も初のことで大丈夫か・・??と心配しながら登壇しました・・・!

緊張していたのもあってかうろ覚えのやり取りもあり、もし気になるところがあればX経由などでご連絡ください・・・!
すぐ追記します!

登壇資料

登壇資料はこちらです。

内容

今回のチョークトークではAgentCoreの機能を丁寧に紹介するのではなく、ユースケースに基づいてどの機能を採用し、どういった設計が良いかをディスカッションできればと思い、下記の流れで進めました。

01-today-agenda

「自分が実装するならこうすればよいのかのヒントを掴んでいただく」のをゴールとしました!

アイスブレイク

最初にアイスブレイクとして挙手で質問をいくつか聞いてみました!

02-icebreak-master

03-icebreak-tried

04-icebreak-interested

「AgentCoreをマスターしているぜ!」「触ったことあるよー」「興味はある!」と段階的に聞いていったのですが、流石にマスターしている方はおらず、触ったことがある方や興味がある方が大半でした・・・!知りたいと思っていただけるのは嬉しいです!
今日の登壇をきっかけに今後マスターの方も出てくると嬉しいですね!

さらに「AgentCoreについて何か知りたい話題がある方いますかー?」と聞いたところ、「Gatewayの使い方が気になる」とタイムリーに声が上がりました。まさに今回のテーマにぴったりですね。

05-icebreak-topic

ここからはAgentCoreのざっくり紹介をしました。

AgentCoreのざっくり紹介

改めてAmazon Bedrock AgentCoreはAIエージェントを展開・運用するために最適なマネージドサービスです。インフラ管理を排除し、開発者がエージェントのロジック構築に集中できる環境を提供します。

06-agentcore-overview

Runtimeをベースに機能も多岐に渡ります。

07-agentcore-features

おお、機能もめちゃくちゃ多いですよね・・・!!ただ全部を使う必要はありません!
必要に応じて必要なものを使えばOKですし、ナレッジに基づいてQ&Aに回答するようなAgentic RAGのようなシンプルな例ならRuntime、Memory、Identity、Observabilityで事足ります。

Runtimeを起点に必要なものを足していくイメージですね。Amplifyはフロントエンドをホスティングするのに便利で、Cognitoを活用してサクッと認証付きの画面を作成できるので良きです。

08-qa-site-architecture

実際に似たような構成で実装したのも最近ブログを書いたので、こちらも合わせてご参照ください。デモもあるのでイメージが掴みやすいかと思います。

https://dev.classmethod.jp/articles/gemma4-s3vectors-agentcore-rag/

質問にも上がったAgentCore Gatewayは、既存のAPI、Lambda関数、MCP Server、各種サービスをMCP互換のツールに変換して、AIエージェントから簡単に呼び出せるようにしてくれるサービスです。

09-gateway-overview

Runtimeから直接ツールを呼べるケースもありますが、複数エージェントでツールを共有したい、外部接続の認証・認可を一元管理したい、大量のツールから適切なものを探したい場合はGatewayが効果的です。セマンティック検索で適切なツールを自動選択できるのも嬉しいポイントですね。

10-gateway-comparison

これだけでは伝わりづらい箇所もあると思うので、Gatewayのメリットなどについては下記資料にまとめているので、気になった方は必要に応じてご参照ください。(P.94 ~ P.105あたりです)

https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-bedrock-agentcore-2025-summary/

さくっとAgentCoreの説明をしたところで、いよいよユースケースをヒアリングしてアーキテクチャの設計を進めていきます。

ユースケースのヒアリング

機能の説明に入る前に、皆さんが「作りたい・気になっている」AIエージェントを教えてもらいました。

11-usecase-candidates

挙手やその場での発言で集まったユースケースは以下の3つです。

  • 英会話学習AIエージェント
    • 普段英語の学習をしているといったところがトリガーになったユースケースでした。ユーザーからの問い合わせや英語の学習をサポートする。忘れた頃に間違えた問題などリマインドしたり癖などを親身に教えてくれるイメージです。
  • スマートグラスを活用したAIエージェント
  • 献立管理AIエージェント

この中から英会話学習AIエージェントを選び、皆さんと一緒にアーキテクチャを整理していきました。(何もなければ大好きなスーパーマーケットについてリサーチしてくれるAIエージェントになるところでした)

英会話学習エージェントの設計をみんなで考える

ユースケースを「目的」「利用者」「外部接続先」「制約」の4つの軸で分解して整理していきました。
あくまで一例ですが、実際にアーキテクチャを設計する際もこのようにまずユースケース、その上で利用者や、制約など考えると設計にブレイクダウンしやすくなるかもしれません。

12-usecase-4axes

英会話学習エージェントの要件を即興でスライドの観点でざっくり整理していきました。

  • 英会話の学習をサポートするため雑多な質問を受けつけるのでユーザーと対話が必要
  • 今回はロール別の業務権限までは深掘りしない前提。ただし、ユーザー識別とメモリー分離は必要
  • ツールはDB・RAG
    • DBはビジネスロジックに付随するデータ、またはメタデータ、ユーザーからのフィードバックデータなど
    • RAGは英会話学習でAIエージェントに取得させて適切な回答や体験をよくするためのナレッジ
      • 自社の学習コンテンツ、よくある質問とかですかね
  • ユーザー別にメモリー管理
    • ここは最低限担保したいですよね。長期記憶など混ざらないような設計、当たり前ですが他の人の記憶が混在しないようにしたいですね。
  • コスト管理
    • 多くのユーザーがいっぱい使っていくイメージなのであまりに高すぎるのは避けたいですよね。

対話しながら書くのが回らなくなってきまして、ふくちさん(@har1101mony)にホワイトボードの書き出しをお願いしました!!

めちゃくちゃリアルタイムで色々書いてくれて大感謝です・・・!!自分の手際の悪さに反省しつつも、おかげでディスカッションに集中できました。

今回は幅広いユーザーが使う案でしたが、社内情報検索など閉じたアプリなら閉域ネットワーク、権限管理などそういったものも別途必要になってきそうですね。また外部SaaSと連携するケースして情報取得、何かしらのアクションを起こしたいなどもユースケースによってはあると思います。

完成したアーキテクチャ

整理した結果、以下のようなアーキテクチャが出来上がりました。

13-whiteboard-architecture

整理すると、このような構成になっています。

  • フロントエンド: Amplify(Web UI) + Cognito でさくっと認証付きのチャットインターフェースを提供

    • ネイティブアプリも良いと思いましたが、わかりやすさのため今回はウェブで・・・
  • バックエンド: API Gateway + Lambdaでリクエストを受け付け

    • フロントエンドとAgentCoreで実装しないビジネスロジックをこちらに記載
      • Databaseとのやりとりなどはここで行う
      • AgentCoreで実装できないわけでもないが、あくまでAIエージェントのロジックを書く場なので責任分担を意識
      • 例えばフィードバック収集ロジックとか、メタデータ管理とかですね。フィードバックはAIのレスポンスに対するものです
  • AIエージェント: AgentCore Runtimeでホスティング

    • 話題には上がっていないですがStrands Agentsで実装するイメージです。Agent Loopで再帰的にナレッジを取得して良い回答を作れるようにします。
  • ガードレール: 不適切な入出力を制御

    • 不特定多数からの受付をするため、英会話学習に関係ない話を拒否したり、不適切なコンテンツは除外するよう設定
  • メモリー: AgentCore Memoryでユーザー別の会話履歴を管理

    • ユーザーの嗜好を記憶するUser Preference戦略、AIエージェントの成功体験を記憶するEpisodic Memory戦略なども活用するとよりユーザー体験が良さそうです。
  • RAG: Knowledge Bases + S3 Vectorsで英会話の教材データを検索

    • OpenSearchやManaged Knowledge Baseも採用可能ですが、大量のデータかつ、安価に運用したいといったポイントでS3 Vectorsを採用します。
  • DB: 学習進捗、メタデータ、フィードバック情報などのデータを管理

  • 記載していないですがリマインド機能を実現するならEventBridgeなどで定期バッチ的に復習を即すようなコンテンツを作成するのも良いですね。間違えた問題、ユーザーが苦手な部分に対するコンテンツ群など。LLMをシンプルにLambdaで実行してワンショットで作るでもいいですし、Agenticに作成して作成→レビュー→改善などのプロセスにしても面白そうです。

  • 記載されているGatewayは後の質問で上がった話なのでここではスルーしてください

要件に応じてどういったAWSサービスを採用するか、AgentCoreのどの機能を使うかを一つずつ判断していくと構成が整理されてきて面白いですね。上記が正解というわけではなくあくまで一例です。(もちろん、即興なので完璧ではありませんし、これがベストという訳ではありません、もっといい選択肢もあると思いますがあくまで今回のチョークトークではこうしたって感じです・・・)

ユースケースをどう整理していくか

チョークトークの後半では、こうした整理を誰でもできるようにするためのTipsを共有しました。
こちらもあくまで一例なので、自社のポリシーや重視されるポイントによって変わってくるかと思います。ただ自分なりに判断軸を言語化できるようになるとアーキテクチャ設計がやりやすくなると思います。

(要件を整理していくと意外にAI Agentじゃなくて良いんじゃない・・・?ということもあるかもしれませんね、シナリオを考えて使い分けが大事ですね)

14-adoption-criteria

また7にあるようにAIエージェントは作って終わりではないので、ObservabilityやEvaluations、Optimizationなどの機能を活用して継続的な分析・改善がとても大切です。小さく作ってよりよく拡張していきましょう!

質疑応答

ディスカッションを終えた後、残り8分ほどで質疑応答の時間を設けました。覚えている限りここにやりとりを書きます・・・!!

  • Q. Harnessで簡単にAIエージェントを作れるがRuntimeベースで自前で実装するのとの棲み分けは?どう判断したらいい?

    • A. まずはHarnessで事足りそうか試してみるのがよいです。痒いところに手が届かない可能性もあるので、そうなった場合は自前で実装します。昨今はClaude CodeやCodexなどコーディングAIエージェントも普及しているのでそういったものも活用すれば実装はそこまで難しくない可能性が高いです。
  • Q. 今回のインターフェースはフロントエンドからだったが、Claude CodeのようなコーディングAIエージェントからRAGを呼び出して参照したい場合はどうしたらいいか。社内ドキュメントなど。

    • A. RAGの構築自体はどちらにせよ必要で、あくまでインターフェースの口が違うイメージです。RAGのRetrieve処理をLambdaやRuntime側に実装し、それをGateway経由でMCPツールとして公開する構成が考えられます。一般ユーザー用のフロントエンドと、コーディングAIエージェント用のMCPアクセス経路がそれぞれあるイメージですね。IAMでのアクセスでもいいですし、Claude CodeやCoworkであればGatewayに認証をつけて、組織としてコネクタで配布して使用してもらうのもありかと思います。IAMだと非エンジニアの方はどうするんだ・・・といったポイントが悩ましいですよね。
  • Q. 検索ツールを利用する場合はTavilyのような外部MCPツールを利用する必要があるか

おわりに

AgentCoreは、すべての機能を使い切るものではなく、ユースケースや制約に合わせて組み合わせるための選択肢が豊富に提供されています。どの要件をAgentCoreの機能で実現するか、どの要件を既存AWSサービスで連携するかをしっかりと考えることで、自分のケースに合った構成を選びやすくなります。改めてですがツール先行ではなくユースケースや制約などを整理して作るものを考えるのが大事ですね。

AgentCoreにはたくさん機能はありますが、まずはHarnessやRuntimeを使ってAIエージェントを作って、それから機能を追加していくでも十分です。小さくAIエージェントを作ってみてその威力を体感した方がどういったことに使えそうか可能性を感じやすいと思います。Harnessのハンズオンも用意しているので必要に応じて試してみてください!

https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-bedrock-agentcore-managed-harness-handson/

また今回、途中からホワイトボードで書記をお願いしたふくちさん(@har1101mony)には改めて大感謝です・・・!!リアルタイムでディスカッションの内容を整理してくださったおかげで、参加者の皆さんにもわかりやすく伝えられたと思います!(正直、自分ならてんぱりそうなので、綺麗にまとめてくださってめちゃくちゃ凄いと思います・・・!!)

そして、質問してくださった方、ユースケースを提案してくださった方、本当にありがとうございました!!今回のチョークトークは皆さんの声があってこそ成り立つ形式なので、積極的に参加していただけたことがとても嬉しかったです!

今日の議論が、皆さんのAIエージェント設計のヒントになれば嬉しいです!

本記事が少しでも参考になりましたら幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました!

この記事をシェアする

関連記事