Alexa Day 2019でAlexaと機械学習の話をしてきた。 #Alexa #AlexaDevs #AlexaDay2019

2019.04.22

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せーのでございます。 2019/4/6(土)、神戸にて国内のAlexaコミュニティカンファレンスとしては最大級のイベント「Alexa Day 2019」が行われました。 私はセッション登壇とパネルディスカッションに参加させて頂きました。レポートとしてはかなり遅めになりましたが、ご紹介致します。

セッション

今回私は「Alexa x 機械学習でスキルをよりリッチにする方法」と題して、スキルの裏側に機械学習を使って、より自然なVUIを目指していこう、そんなテーマでお話致しました。スライドはこちらになります。

※セッションに参加された方で「これ、枚数少なくなってね?」と思っている方、それは気のせいです。

Alexaスキルの開発をする上で一番大事にすること、それは「体験」です。「声でやり取りをする」部分はインターフェースに過ぎません。大事なのは「それによってユーザーがどんな体験をするのか」です。機械学習はその体験にフォーカスするための環境づくりにて大きな役割を果たします。

「ボイスで機械学習」を想像すると「機械が自分で考えてユーザーと対話していく」イメージがある方もいるのですが、そんなに大掛かりなものを構築しなくても、ピンポイントに機械学習を使うことによって、ユーザーが受ける感覚はだいぶ違います。

セッション内でご紹介したものには「応答生成」があります。これは様々な応答に関する文言を学習させて、Alexaのレスポンスに使うアイデアで、綺麗に学習できると実に色々な反応を示せます。VUIとしてはかなり自然な形が期待できます。

AlexaのようなAIアシスタントの特徴として「身近さ」があります。スマートスピーカーを持っている方なら感覚的におわかりになるかと思いますが、自然言語で話しかけて、自然言語で答えてくれるものは例え機械でも愛着がわいてくるのです。
このAIアシスタントをより身近な存在にするには、ユーザーが望んだことだけを返すのではなく、更にもう一歩先の提案をしてくれる仕組みを作ることです。
提案やアドバイスをしてくれる人とはどんな人でしょう。それまでの経歴や専門的な人脈に基づいた圧倒的な知識があり、そこから質問者に合った知識を選択してアドバイスしてくれるような人です。その際に事例などを一緒に紹介すると説得力が増します。
これを機械に代替してもらうことを考えましょう。知見は体系化してDBに入れておけば、そこからモデリングしてテーマに沿ったモデルを作成できます。 あとはユーザーからきっかけとなるテーマをAlexaで吸い上げればOKです。お肌にあった化粧品でも、好みの映画でも、そのスキルに合った情報を提供すればいいのです。そう考えると、簡単だと思いませんか?

機械学習は範囲が広く、何から初めていいのかわからない方も多いです。まずは「レコメンデーション」からはじめてみましょう。

パネルディスカッション

セッションの後はパネルディスカッションに参加致しました。 舞台に立ったのはNRIの馬勝さん、サーバーワークスの「コケクサ」坂本さん、TOKAIコミュニケーションズの小柳津さん、と私。ファシリテーターはAlexaDay主催の伊東さんでした。

事前にパネリストのみなさんと打ち合わせをしたのですが、同じスキル開発者でも微妙にバックグラウンドが違うので、自然に多角的な視点になっていくのが面白かったです。

純粋なエンジニア目線で考えた時にAlexaに「出来ていてほしい機能」があります。それは声紋認証だったり、感情分析だったり、ウェイクワードの変更だったり、スキル間の自由な連携だったりです。そしてそれは突き詰めていくと「AlexaのASR(Auto Speech Recognition)、NLU(Natural Language Understanding)部分のカスタマイズ」といった結論にたどり着きます。つまり、独自のモデルの追加やWWE(Wake Word Engine)の改修です。
しかし、ビジネス視点でそれを見直すと、そこを一手にAmazonが責任を持ってくれているからこそ、現在のAlexaがエンドユーザーに提供できる安定性認識の良さを保っている、とも言えます。そこをエンジニアリング的な解決ではなく、ソリューション的な組み合わせで解決できるようになるのがベストかと思います(手は入れたいは入れたいんですけどね)。

Amazonの関係者が視界に入る中、Amazonに注文をつけるのは中々勇気がいることでしたが、なんとか無事に終わって良かったと胸をなでおろしています。

まとめ

ということで1年ぶりの「Alexa Day」はまだ日本にAlexaが上陸していなかった去年と違い、バリエーションが多岐にわたる、大変刺激の多いものでした。これが東京ではなく神戸で行われているのも大きなポイントだと思います。

来年からは名前がVoice Con Japanとなります。より大きな、より刺激の多いイベントになるように、私も精進していきたいと思います。来年もまた呼んでください!