
製造業DXシリーズ③ 【汎用部品情報集約システム】 部品の仕入先が分散し、バイイングパワーが弱くなっていませんか?入口統制で購買力を強化するシステムのご紹介
こんにちは、クラスメソッド株式会社 製造ビジネステクノロジー部の細見です。
本記事は「製造業DXシリーズ」の第3弾です。第1弾・第2弾では4M変更管理とEOL管理をご紹介しましたが、今回は製造業によくある「汎用電気電子部品の仕入先分散によるバイイングパワーの低下」という課題と、その解決策についてご紹介します。
半導体、抵抗、コネクタといった汎用電気部品は、品番点数が多く購入先も分かれやすいため、気づかないうちに調達が分散し、会社としての購買力(バイイングパワー)が弱まっているケースが少なくありません。
こんな悩み、ありませんか?
部品調達について、次のようなお悩みをよくお聞きします。
・同じスペックの部品なのに、設計者や案件によって発注先メーカーが異なり、1社あたりの購入額が小さくなっている
・半導体不足や災害など有事の際、購入額の小さい仕入先ほど納期交渉で優先順位を下げられてしまい、やむを得ず、価格の高い市中品(市場在庫)を購入しなければならなくなった
・仕入先が分散しているせいで、新規契約・取引口座の管理・監査対応といったBCP関連の対応工数が雪だるま式に増えている
実際、同じスペックの部品でありながら、設計者によって発注先メーカーが異なってしまうケースはよく起こります。ある設計者はスイッチも抵抗もA社製で設計したとします。しかし別の設計者が同じスイッチや抵抗を設計に使う際、過去の図面や個人的な好みから、B社の製品を指定してしまう。
結果として、本来まとめて発注できるはずの部品が複数のメーカー・仕入先に分散し、1社あたりの購入額が薄まっていきます。
購入額が小さい取引先は、有事の際の納期交渉で優先順位を下げられやすく、平常時も仕入先の数だけ契約・監査対応の工数がかかります。酷いものになると、同じメーカー、同じ品番であっても、仕入時の商流が異なり、社内のそれぞれの事業部の慣習によって、違う仕入先から購入している、という事態が発覚することもあります。つまり、部品表の散在や属人化は表面的な症状であり、根本にあるのはバイイングパワーの低下という経営課題です。
なぜこの課題が起きるのか
この課題の背景には、設計部門と調達部門で「理想」や「目的」が異なる、という構造があります。

設計部門は、自分の使いたい部品を使いたい、過去の図面と同じ部品を使いたい、部品選定に時間をかけずとにかく早く設計を終わらせたいと考えます。
一方で、調達部門は、同じような部材はまとめて買って単価を抑えたい、仕入先を集約化して新規契約や監査対応、BCP(事業継続計画)の業務負荷を減らしたいと考えています。
どちらの部門の考え方も、それぞれの立場から見れば合理的です。しかし、この目的の違いが是正されないまま設計が進むと、同じスペックの部品でも違うメーカーから仕入れることになります。
これは単に「発注が分散して面倒」という業務効率の問題ではありません。1社あたりの発注量が薄まることで、会社としての購買力(バイイングパワー)そのものが弱まり、有事の際の納期交渉での優先順位の低下や、仕入先の数に比例して増えるBCP対応工数増加につながる、経営レベルの課題です。
解決策:「汎用部品情報集約システム」とは
クラスメソッドの 「汎用部品情報集約システム」 の本質的な目的は、業務効率化そのものではなく 「入口統制」 です。
設計部門が新しい部品を使いたい場合は、必ずこのシステムを通じて部品選定する仕組みにすることで、調達部門が決めた発注方針を設計の現場に周知し、部品選定の入口をコントロールできる状態をつくります。
つまり、このツールは設計・調達の両部門を単純に助けるだけの仕組みではなく、調達部門の方針を軸に、設計部門の部品選定を統制するための仕組みです。
散在していた発注を特定の仕入先へ意図的に集約することで、部品メーカーから見た自社の発注ボリュームが大きくなり、優先的に対応してもらえる取引先へと立場を変えていくことができます。
有事の際に納期交渉で優先的に出荷してもらえたり、価格交渉で有利な条件を引き出しやすくなったり、新規契約・監査対応・BCPといった調達部門の負担を仕入先の絞り込みによって軽減できたりするのは、この 「入口統制」 によってバイイングパワーが強化されるからです。
ツールでできること
具体的には、次の4つの機能を備えています。

部品情報の一元管理:
メーカー・型番・仕様・価格などを1つのデータベースに集約し、Excelや紙に頼る必要がなくなります。
かんたん検索:
キーワードや条件を入力するだけで必要な部品にすぐ到達できます。あいまい検索にも対応しているため、経験が浅い人でも使えます。
代替品提案・コスト比較:
同等スペックの代替部品を自動で提案します。たとえばMLCCであれば、ある1社の品番を入力するだけで他社の同等品を自動抽出でき、汎用チップ抵抗であればサイズ・抵抗値・許容差を入力するだけで各社の品番のデータを一括取得できます。
調達方針の現場反映:
調達部門が決めた発注方針や推奨メーカー、推奨部品を、設計の現場にリアルタイムで周知・反映します。
新しい部品の採用はこの仕組みを通じて選定することが前提となるため、調達部門が設計部門の部品選定を統制する「入口」として機能します。全ての検索結果は、調達部門が事前に設定したメーカー(発注方針にそった推奨メーカー)の情報のみに限定した上で表示されます。
導入効果
導入効果としては、部品集約における情報精査、部品情報の収集業務や代替品の調査・比較業務、調達発注方針の現場展開業務にかかる時間を大きく圧縮できます。
部品採用時の 「入口統制」 により、発注方針に沿わない部品や、EOL品が採用される、といったことを未然に防止できること、部品の知識が個人の頭の中ではなく会社の資産として残ることでベテラン依存から脱却できること、そして調達の発注方針がすぐ設計現場に伝わり、部門間の食い違いが減ることといった効果も期待できます。
なにより大きいのは、発注が特定の仕入先に集約されることで生まれる、取引先からの見え方の変化です。
同じ部品を集約して購買することで価格交渉がしやすくなるだけでなく、部品メーカーにとって自社が 「優先的に対応すべき取引先」 になっていきます。有事の際に納期で後回しにされにくくなること、そして仕入先の数が絞られることでBCP対応の工数が膨らみにくくなることは、バイイングパワーの強化がもたらす直接的な効果です。
担当者の異動や退職があっても部品の知識が会社に残る、という点も、担当者の入れ替わりが多い組織にとって大きな安心材料です。
こんな方におすすめです
クラスメソッドの 「汎用部品情報集約システム」 は、少量多品種で製品を組み立てているメーカーの調達部門の方に特におすすめです。
・部品選定が設計担当者任せになっていて、購買発注方針の周知徹底ができていない方
・発注が仕入先ごとに分散していてバイイングパワーを発揮できていない方
・仕入先の数を絞り込んでBCPや監査対応の負担を減らしたい方
もちろん、部品表の散在や代替品探しに悩む設計部門にとっても、日々の業務が楽になるという効果は変わりません。
まとめ
仕入先の分散は、単なる業務効率の問題ではなく、バイイングパワーの低下という経営課題です。仕入先が分散するほど、有事の納期交渉で優先順位を下げられやすくなり、BCP対応の工数もかさみます。
「汎用部品情報集約システム」は、部品情報を一元化するだけでなく、調達部門の方針を設計部門の部品選定に反映させる「入口統制」の仕組みを持つことで、発注を集約し、部品メーカーから優先的に対応してもらえる会社へと変えていきます。
ご参考:
製造業DXシリーズ① 【4M変更管理】
製造業DXシリーズ② 【EOL管理】









