他者の思考を推測する利点とリスク

2024.03.21
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
仕事において、他者との関わりは欠かせません。円滑に仕事を進めるためには他者との円滑なやりとりが必要です。
他者とのやりとりを円滑にするにあたって、相手に合わせた対応が必要になってきます。
そこで、今回は他者の思考を推測することについてまとめます。

他者の思考を推測すること

他者と円滑なやりとりをするためには、相手は異なる人間であり、異なる信念・意図・感情・知識などを持っているということを理解し、それを踏まえてやりとりをする必要があります。正解は一つではなく、相手が異なれば必要なコミュニケーションは変わります。
他者の思考を推測することに関しては、「心の理論」「マインドリーディング」などの概念があるので気になる方は調べてみてください。

他者の思考を推測することの必要性

他者の思考を推測することの必要性を理解するためには、「人によって信念・意図・感情・知識が異なる」ということを理解し、逆にそれを踏まえないとどうなるかを考えるとわかりやすいでしょう。
例えば、シニアなエンジニアとジュニアなエンジニアに任意の技術的な課題に関して説明するときに必要な説明内容はそれぞれ異なるでしょう。シニアなエンジニアには最低限の説明で済む場合も、ジュニアなエンジニアには個別の概念の詳細などをより詳しく説明する必要があります。
例えば、自分の行動に対するフィードバックを受けいれる力の強い人と弱い人がいた場合、前者には率直なフィードバックをしやすいですが、後者には伝え方をより慎重にしたり、内容や状況によっては伝えない選択肢も選ぶ必要があります。
例えば、相手が感情のブレが大きい人の場合、会話をするのはタイミングを見極めたほうがいいかもしれません。

以上のように、他者の思考を推測することで、相手や状況に即したやりとりで、求める結果につながるコミュニケーションになりやすくなります。

他者の思考を推測することのリスク

ここまでまとめたように他者の思考を推測することには利点があります。
一方で、他者の思考を推測するリスクもあります。推測した思考の内容が外れていると、それによって選んだ自分の行動も外れやすくなるからです。この場合、相手の思考を推測しない状態よりも悪い結果になることすらありえます。
例えば、考え込んだときに不機嫌そうな表情をする癖のある人に話しかけようとしている人がいたとします。
その表情をみて「嫌われているのだろう」と判断し、相手とのやりとりを減らしたとします。実際は特に嫌っているわけではなく単なる癖で、実態と異なる判断で相手との関係が悪化してしまうことになります。

確度を高める方法

他者の思考の推測は利点もあればリスクがあります。
ここで推測の確度が重要になってきます。
推測の確度を高める方法としては以下のようなものがあります。
  • 傾聴 - 相手の話を注意深く聞き、理解しようとする姿勢を持つこと
  • 質問 - 不明点がある場合は相手に詳細や真意を確かめること
  • 共感 - 相手の立場に立って物事を考えること
  • バイアス除去 - バイアスの有無を注意をすること
  • ふりかえり - 過去のやりとりをふりかえり相手の傾向への理解度を高めること
どの方法に関しても結局は相手との関わり次第になってくるため、信頼関係が土台になります。
特に関係の悪化は相互の行動をマイナスに捉えやすくしがちです。詳しくはこちらを参照ください。

まとめ

他者の思考を推測することについてまとめました。
ちなみに私は昔は格闘ゲームをやりこんでいたので、人の癖を読んで行動を決める「人読み」という用語に慣れ親しんでいたので、ある種、仕事における「人読み」と言えそうです。

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