【アップデート】Google Workspace Studio の管理者コントロールが強化され、各ステップとスターターの利用を制御可能になりました

【アップデート】Google Workspace Studio の管理者コントロールが強化され、各ステップとスターターの利用を制御可能になりました

2026.06.01

はじめに

こんにちは。
クラウド事業本部コンサルティング部の渡邉です。

2026年5月27日、Google Workspace Studio のステップ(Step)とスターター(Starter)に対する管理者向けの利用制御機能が展開されました。

https://workspaceupdates.googleblog.com/2026/05/more-granular-admin-controls-for-Workspace-Studio-steps-and-starters.html

これまで Workspace Studio では、フロー内で使用できるステップやスターターをすべてのユーザーが自由に利用できる状態でした。今回のアップデートにより、管理者がサービス単位または個別にステップ・スターターを有効化・無効化し、ユーザ・グループ・組織単位(OU)レベルで細かく制御できるようになりました。

「全社一斉導入前にまず特定部門でパイロット運用したい」「特定サービスのステップだけ一時的に制限したい」といった要件に応えるアップデートです。

本記事では、Workspace Studio の概要と今回の管理者制御強化の内容、および設定の考え方をご紹介します。

Workspace Studio とは

Google Workspace Studioは、Google Workspace ユーザーがコードを書かずに複数サービスにまたがるタスクを自動化できるノーコード自動化プラットフォームです。

複数の「ステップ」を組み合わせた「フロー」を作成することで、繰り返し作業を自動化できます。

概念 説明
フロー(Flow) 自動化処理全体のまとまり。スターター(開始トリガー)と複数のステップで構成される
スターター(Starter) フローを開始するトリガー。例:「フォームが送信されたとき」「メールを受信したとき」
ステップ(Step) フロー内の単一処理タスク。例:「メールを送信する」「Chat に投稿する」「Gemini に質問する」

詳細や、ユースケースなどについては、Workspace Studio に関するブログをいくつか執筆していますので、あわせてご参照ください。

https://dev.classmethod.jp/articles/google-workspace-studio-meet-trigger-calendar-update/

https://dev.classmethod.jp/articles/google-workspace-studio-auto-meeting-briefing/

https://dev.classmethod.jp/articles/google-workspace-studio-notebooklm-podcast-automation/

今回のアップデート:管理者による利用制御

何が変わったか

項目 変更前 変更後
ステップ・スターターのデフォルト状態 すべてON(制御不可) すべてON(管理者が個別に無効化可能)
制御単位 ドメイン全体のみ ユーザ単位/グループ単位/組織単位(OU)で細かく設定可能
無効化の対象 — サービス単位 または 個別のステップ・スターター単位
ユーザー側の表示 — 無効化されたステップは表示されない or 既存のフローはエラー

利用可能エディション

エディション 対象
Google Workspace Business Starter・Standard・Plus
Google Workspace Enterprise Standard・Plus
Google Workspace for Education Fundamentals・Standard・Plus
追加ライセンス Google AI Pro for Education・AI Expanded Access

ロールアウト情報

  • 開始日: 2026年5月26日
  • 対象: Rapid Release ドメイン・Scheduled Release ドメイン(段階展開、1〜3日で可視化)

実際に試してみる

前提条件

  • Google Workspace 管理者アカウント(スーパー管理者または適切な権限を持つ管理者)
  • 対象エディション(Business Starter 以上など)のサブスクリプション

ステップ1: 管理コンソールでStudio設定を開く

  1. Google 管理コンソール(https://admin.google.com)にスーパー管理者でサインイン
  2. 左メニューから [アプリ] > [Google Workspace] を開く
  3. [Workspace Studio] の設定を選択する

alt text

管理コンソールの Workspace Studio 設定画面です。中央の「手順と機能」セクションに、カレンダー・ドライブとドキュメント・Gmail・Gemini in Workspace・Google Chat・Google Meet・ToDoリスト・ツールの各サービスが一覧表示されており、デフォルトではすべて「オン」になっています。

ステップ2: ステップ・スターターの制御単位を選択する

設定では以下の単位で制御を構成できます。

  • ユーザ: 特定のユーザーに適用
  • グループ: 特定のグループメンバーのみに適用
  • 組織単位(OU): 特定部門・チームのみに適用(部門別パイロット導入に有効)

alt text

「手順と機能」の詳細設定ページです。左側の赤枠内に ユーザー・グループ・組織部門 という3つの制御単位が展開メニューとして表示されています。右側には各サービスの現在の設定状態が一覧表示されており、どの単位に対してどのサービスが有効かを一目で確認できます。

ステップ3: 無効化するステップ・スターターを選択する

制御単位を選択した後、以下の粒度で無効化を設定します。

  • サービス単位: たとえば「Gmail 関連のステップをすべて無効化」
  • 個別指定: 特定のステップのみを無効化

ステップ4: 「メールの受信時」のスターターを無効化する

今回は、まず「メールの受信時」のスターターを無効化した際の挙動を見てみます。

alt text

設定変更前の Studio フロー作成画面です。「開始条件の選択」を開くと、「メールの受信時」 をはじめ、「設定スケジュールで実行」「チャットメッセージを受信したとき」「シートの変更時」など多数のスターターが選択可能な状態です。

alt text

管理コンソールの Gmail 設定画面です。「Gmail を許可するステップ」はオンのままにしつつ、Starter の「メールの受信時」のチェックボックスだけを外した 状態です。このように、サービス全体を無効化せず、特定のスターターのみをピンポイントで制御できます。

このまま設定を保存して、先ほどの Studio フロー作成画面を見てみます。

alt text

設定変更後の Studio フロー作成画面です。スターター一覧から 「メールの受信時」が消え 、ユーザーは選択できなくなっています。他のスターターは引き続き利用可能なため、Gmail を使う他の操作ステップには影響がありません。

ステップ5: 「Gmail」ステップをすべて無効化する

今度は「Gmail」ステップをすべて無効化した際の挙動を見てみます。

alt text

設定変更前の Studio ステップ選択画面です。Gmail カテゴリー に「メールで通知する」「メールをアーカイブする」「メールの下書きを作成する」「返信を下書き」「Gemini でラベルを追加する」など多数のステップが利用可能な状態で表示されています。

alt text

管理コンソールで 「Gmail を許可するステップ」のチェックを外した 状態です。親チェックボックスをオフにすると、配下の「Starter: メールの受信時」および「操作」のすべての項目が一括でグレーアウトされ、強制的に無効化されます。

alt text

設定変更後の Studio ステップ選択画面です。Gmail カテゴリーのステップがすべて画面から消えており、選択できない状態になっています。Chat・Sheets・Drive・Calendar など他サービスのステップは引き続き正常に利用できます。

ステップ6: すでに作成したフローへの影響

すでにフローが作成されている場合に、特定のサービスの利用を無効化した際の挙動も見てみましょう。

alt text

Workspace Studio の Flows 一覧画面です。Gmail ステップを含んでいた「無題のフロー」に 「ステップが利用できなくなりました」という警告メッセージ が表示され、ステータスが「停止中」になっています。無効化の影響を受けたフローはこのように一目で識別できます。

alt text

フロー編集画面を開いた状態です。Gmail を使用していた「ステップ 1」と「ステップ 3」が 「このステップは表示されなくなりました」 と表示されています。Gmail を使用していない「ステップ 2: Gemini に相談」はそのまま残っており、無効化の影響はあくまで該当サービスのステップのみに限定されていることがわかります。

まとめ

今回は、Google Workspace Studio のステップ(Step)とスターター(Starter)に対する管理者向けの利用制御機能について紹介しました。

今回のアップデートにより、Workspace Studio のステップとスターターをユーザ・グループ・OU単位で個別に制御できるようになりました。デフォルトはすべて有効な状態で、管理者がサービス単位または個別のステップ単位で無効化する、という運用が基本になります。

注意点として、既存フローに含まれていた場合は実行時にエラーが発生します。そのため、Google Workspace Studioの利用が社内で浸透している場合は、設定変更前に影響を受けるフローを洗い出しておくようにユーザへの周知をおすすめします。

今回アップデートされた機能は、段階的にGoogle Workspace Studioを導入する際や、特定のサービスの利用を禁止したい場合に役立つと思います。
たとえば以下のような導入ステップが考えられます。

  1. OU単位でパイロット対象を限定: IT部門や特定チームのみ Studio を有効化
  2. 利用状況をモニタリング: フロー実行ログや Activity Log を確認
  3. 段階的に対象OUを拡大: 問題がなければ全社展開へ
  4. 問題ステップは個別無効化: 特定サービス連携でトラブルが出た場合のみ個別に制限

いままで、Google Workspace Studioを利用できていなかった組織でも、スモールスタートで Google Workspace Studioを展開していくことができると思います。

この記事が誰かの助けになれば幸いです。

以上、クラウド事業本部コンサルティング部の渡邉でした!

この記事をシェアする

関連記事