マネージャーとメンバーで現在地を継続的に確認するためのシートを作ってみた

2023.09.07
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
人事評価制度の評価基準を踏まえて、マネージャーとメンバーで現在地を継続的に確認するためのシートを作りました。
私たちの部門のValueとして「自分たちで試す」を掲げている私たちのチームなので、まずは自分たちで試してみました。
なお現在は、任意で利用するツールとして全社のマネージャーにシートを展開しています。
必須ではなく任意にしている理由としては
  • 各マネージャーの中にはすでに現場に合わせた独自のツールを使っている人もいるだろう
  • メンバーの中には細かな支援がなくてもほぼ自走して進められる人もいるだろう。その人にとっては余分な要素になる

の2点になります。

マネージャーとメンバーで現在地を継続的に確認するためのシート

どのような目的があるか?

人事評価制度を運用する場合
  • メンバーの成長を支援すること
  • メンバーの成長やその結果としての成果を評価をすること
  • 評価の結果として報酬で報いること
が必要になります。
この際、必要になるのは
  • まず現状を確認する
  • 期中を通して評価基準に関わる能力やマインドを伸ばす
  • 期末に到達度を確認し評価をする
という一連の内容になるわけですが、この活動において
  • 成長状況の確認を期中に継続的に行うことで着実な成長支援をすること
  • 成長状況の確認を期中に継続的に行うことでマネージャーとメンバーのギャップを常になくすこと
がこのシートの目的です。常に確認しあっていれば、
  • 期中、成長に向けた取り組みを何もできなかった
  • いざ評価結果を聞いたときに「納得がいかない」
のような状態に至りにくくなります。
メンバーの成長を常に支援することが主目的ですが、結果として評価結果に対するギャップをなくす効果もあるのです。
なお、メンバーの成長の継続的支援については、別途継続的パフォーマンスマネジメントの情報をご覧ください。

どのような項目があるか?

期中の現在地確認のために以下のような項目を用意しています
  • 評価基準ごとのクリア有無の判定+現状をやりとりするためのメモ欄
    • この欄が評価基準の項目数分用意されている
    • この欄の活用が主役
  • 現在のグレードでの主な成果
  • 評価基準に含まれていない要素だが評価に対して加点に値する強み
  • 昇格の障壁になっている課題
  • その他の情報を書き留めるためのフリー記載欄

どのように使うか?

まずはじめに「各評価基準ごとのクリア有無の判定」をすべての評価項目に対して実施します。
理想的にはメンバーの目標設定の開始前にこのコミュニケーションが終わっていると、現在地の認識がとれた上で目標設定をできるため、目標設定しやすくなります。期初の時点で未達成の項目については「何ができれば達成に至るのか?」「そのために何をするとよさそうか?」あたりを話しあって置けると最高です。
一度認識を合わせて記録しておけば以降は次のグレードに上がるまでは差分を確認すればいいだけになります。
現在地のチェックができたら、期中の1on1で継続的に内容を確認します。
1on1で毎回確認する必要はなく、進展がある場合や、障壁がありつまずいているときに会話しつつ内容を記録していきます。
  • メンバーが任意の項目の達成を自己申告してきた
    • 達成有無を確認する。未達成の場合は未達成の理由をすり合わせる。話した内容をメモ欄に残す
  • メンバーが任意の項目を伸ばせずに困っている
    • どんな障壁で困っているか?どのような方法で解決できそうか相談にのる。話した内容をメモ欄に残す
などの会話をしていきます。
これができていると、期末の評価時に改めて認識合わせをしておく内容がほぼなくなります。
常に認識が揃った状態です。

全社展開のためにしたこと

今回、このシートは Google Spreadsheet で用意しました。
全社展開のために
  • テンプレートを作成
  • サンプルを作成
  • 利用手順書を作成
してマネージャー全体に案内しました。

まとめ

人事評価制度の評価基準を踏まえて、マネージャーとメンバーで現在地を継続的に確認するためのシートについてまとめました。
人事評価制度を運用している以上、評価基準を踏まえたメンバーの育成や評価のためのコミュニケーションは多かれ少なかれみんな実施しているはずです。期末の評価時にギャップが発生してしまう場合
  • 期中に全くすり合わせをしていない
  • 期中にすり合わせをしているがやりとりが大雑把で、しかも記録していないので確認できない
のどちらかになっているはずです。
記録用のシートを用意することで、確実な認識合わせで継続的に成長を支援し、評価時のギャップもなくしましょう。

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