
【Siemensブース訪問】製造業の未来と理想を見た #HM26
概要
こんにちは、クラスメソッド製造ビジネステクノロジー部の田中聖也です。
HANNOVER MESSE 2026 のDay1で、ホール13のシーメンス(Siemens)ブースを訪問してきました!
工場が丸ごと一個入っているんじゃないかというぐらいのバカでかい規模で、製造業の未来を一気に体感できる展示が詰め込まれていました。
- SENTRON Powercenter 3000 によるエネルギーのリアルタイム可視化
- 製造業の未来!?設計から梱包までの全自動化
- Tecnomatix によるデジタル製造(工場レイアウトとプロセスのシミュレーション)
- シーメンスブースを見て感じたこと
SENTRON Powercenter 3000 でエネルギーを「地図」で見る
最初に目を引いたのが、ブース内の電力をリアルタイムで可視化するデモでした。
SENTRON Powercenter 3000 という装置を使って、ブース内の各設備が「今どれぐらい電流(A)を使っているか」を、会場の俯瞰図(デジタルツイン)の上にマッピングしていました。
正常稼働は緑、警告や異常は赤、というシンプルな色分けで、どこで電力の無駄や異常が発生しているのかが一目でわかります。
↓のように、グラフの羅列ではなく「地図」として見せてくれるのが直感的で良いなと感じました。

製造業の未来!?設計から梱包までの全自動化
シーメンスのブースで一番衝撃を受けたのが、設計から梱包工程の全自動デモです。
リアルの設備(3Dプリンター、AGV、協働ロボット)が並んでいて、両者が完全に連動して動いていました。
具体的には、こんな流れのデモでした。
- 足のサイズを測定する
- 測定結果をもとに自動で靴のデータが設計される
- アダプティブな3Dプリンターで加工される
- AGV(自律走行ロボット)が次の工程に運搬する
- 検査・梱包までを機械が全部やる




これを見ていて、めっちゃ未来やん…と素直に思いました。
特に良いなと感じたのは、搬送をAGVがやっている部分です。
ベルトコンベアのような大型搬送設備が要らなくなるので、ラインのレイアウトをかなり自由に組み替えられます。
混合具合にもよりますが、多品種少量生産の工場と相性がいいかもと思いました。
逆に、同じ製品を大量に作るような大量生産系だと、コンベアを敷いた方が早いケースも多いので、向き不向きはありそうです。
ブースに掲げられていた「Hardware as flexible as software」というメッセージも印象的で、Siemens Xcelerator というオープンなソフトウェア基盤を介して、ハードウェアの構成や動作をソフトのアップデートのように変えていく世界観が、デモの中でちゃんと動いていました。
Tecnomatix で工場をまるごとシミュレーションする
デモエリアでは、シーメンスの製造業向けソフトウェアファミリー「Tecnomatix」を使ったデジタル製造のデモも見せてもらいました。
工場を建てる前、あるいはラインを動かす前に、すべてをデジタル上で検証・最適化するというアプローチです。


工場全体のレイアウトとボトルネックを見る(Plant Simulation)
「Tecnomatix Plant Simulation」では、工場全体のレイアウトや物流、ロボット配置をマクロな視点で俯瞰できます。
物理的なラインを組む前に、スループット(時間あたりの生産量)やボトルネックを仮想空間上で特定して、ラインを設計する流れです。

ロボットと工程の精緻な検証(Process Simulate)
「Process Simulate」では、KUKAやFANUCなどマルチベンダーのロボットを取り込んで、ロボットの動きや溶接・組み立てプロセスを検証していました。
面白いと感じたのが、調達のタイミングで「KUKAとFANUC、コスト的にどっちがいいか」が決まったあとに、選んだ方のオフラインプログラムを生成し直せる、という話です。
ロボット同士やラインとの干渉も事前に潰せるので、ライン立ち上げの期間(タイム・トゥ・マーケット)が一気に短縮できますね。
正直、生産ラインが立ち上がった後に改善するのって、時間もお金も労力もめちゃくちゃかかるんですよね。
そこをデジタル上で先に潰しておけるというのは、どの工場にとっても理想だなと思いました。
人もシミュレーションに組み込む
個人的にめっちゃ良いなと思ったのが、ロボットだけじゃなく「人間の作業員」もシミュレーションに組み込んでいた点です。
身長の違うアバターを2人並べて、同じ作業台で作業させると、片方は腕が高すぎて負荷が大きく、片方は腰をかがめすぎて負荷が大きい、というのが色(緑・オレンジ・赤)で出てきます。
そこで作業台の高さを変えてあげると、両方とも緑エリアに収まる、というデモでした。

エルゴノミクス(人間工学)の国際標準に沿った評価ができるので、新しい作業場を導入するときの労働組合への説明にも使えるとのことでした。
深刻な人手不足や高齢化が進む日本の製造業でも、「身体的負担を減らす作業設計」が人材定着や安全な労働環境につながるという視点は、改めて重要だなと感じました。
まとめ
シーメンスは設計から生産計画、実稼働、作業員の保護まで、あらゆるフェーズをデジタル上で最適化する「包括的デジタルツイン」を、本当に動く形で見せてくれました!
正直、あの世界観をいきなり全部やるのは無理ですが、どこから手をつけてデジタルツインを実現していくかという議論をするのが現実的かなという感じです。ただ、実際のデモを見ると「やってみたい!」と思いました。









