Microsoftが描く「Return on Intelligence」 製造業の次のフロンティア Center Stageセッションレポート #HM26

Microsoftが描く「Return on Intelligence」 製造業の次のフロンティア Center Stageセッションレポート #HM26

ハノーバーメッセ2026のCenter Stageで行われたMicrosoftのセッション "Return on Intelligence" レポート。Fabric IQとNVIDIA連携による未来の工場、Krones CEOが語る"週単位→分単位"の実事例を、セッション全体の流れでお届けします。
2026.04.21

ハノーバーメッセ2026の二日目、Microsoftブース内のCenter Stageで行われた、製造業におけるIndustrial AIの未来像を語るセッションに参加してきました。

タイトルは 「Return on Intelligence — the next frontier of manufacturing」

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自分が今回このセッションに絶対参加したかった理由はシンプルで、パブリッククラウドの中で製造業における存在感が一番強いMicrosoftが見せる未来と考え方を、生で自分の耳で聴きたかったから です。MicrosoftはIndustrial IoTからMicrosoft Fabric、そして最近のFabric IQに至るまで、製造業向けの統合プラットフォーム戦略をグローバルで最前線から打ち出している最大手プレイヤー。

そのビジョンと実際の顧客事例から何が見えてくるのか、どのようなメッセージがハノーバーメッセで出てくるのか、非常に楽しみにしていた30分でした。公式のイベント情報はこちらを参照してください。

Return on Intelligence: The Next Frontier of Manufacturing - Hannover Messe

本記事では、セッションの内容を、できるだけ臨場感そのままにお届けします。

このセッションについて

Microsoftは、ハノーバーメッセ2026で Hall 17 の G6 に大型ブースを構えており、その中心にある「Center Stage」で、こうしたセッションが会期を通して何度も開催されています。

今回のセッションのホスト(キーノートスピーカー)は、Microsoft の President & Chief Revenue Officer を務める Deb Cupp氏

Microsoftのエンタープライズビジネス全体の舵を切る最上位クラスの経営幹部です。そこに、Microsoft の Fabric Real-Time Intelligence と Fabric IQ を率いる Yitzhak Kesselman 氏(Corporate Vice President, Fabric Real-Time Intelligence)、そして 75年の歴史を持つ独・Krones AG の CEO Christoph Klenk 氏 がゲストとして加わる、という豪華な顔ぶれでした。

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タイトルにある 「Return on Intelligence」 は、"Return on Investment(ROI)" にかけたキーワードとのことです。正直後から知りました。Industrial AIへの投資は、単なる効率化のためではなく、ビジネスに対する"知能のリターン"を生み出すべきだ、というMicrosoftのメッセージがそのまま凝縮されています。

それではさっそく中身に入っていきます。

Frontier Manufacturerを定義する4つの要件

Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
本日は、このステージで皆さんとご一緒できることを本当に嬉しく思います。今は、製造業にとって本当にエキサイティングな時代です。業界全体が新しいフロンティアに入りつつある。そしてそれは、人間の創意工夫(human ingenuity)と産業の知能(industrial intelligence)が出会うこと によって生まれる、パワフルな融合なんです。

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このシフトを後押ししている力は何か。マスカスタマイゼーション、自律運用、そしてますますエージェント化するサプライチェーン。これらがドライバーです。

ただ、これだけの進化があっても、多くの製造業はいまだ "断片化されたインテリジェンス(fragmented intelligence)" に縛られています。インテリジェンスそのものが、システム間で分断されてしまっているんです。

私たちが「Frontier(フロンティア)」と呼ぶ製造業は、次の4つを徹底的に実行している企業です。

AIをオペレーション上の優位性に変えている

製品のライフサイクルを物理的に再定義する。設計、エンジニアリング、オペレーションがクローズドループで学習し、より良い意思決定、より早いイノベーションサイクルを生み出していきます。

AIパワード・ファクトリーを運営している

リアルタイムのインテリジェンスを現場に届け、チームが問題を予見し、作業を協調的に動かせるようにする。

ヒューマン×エージェントのチームで信頼を築いている

深く、本当に重要な人間の判断と、AIを大規模に組み合わせる。これは、セキュアで統制の取れたシステムの中に根付いていて、なおかつ実際の働き方を反映したものでなくてはなりません。

エージェント型サプライチェーンを編成している

サプライヤー、パートナー、工場、あらゆるプレイヤーをリアルタイムで接続する。今起きていることを可視化し、混乱を素早く発見し、プロアクティブに適応できる状態をつくる。

Intelligence と Trust — すべてのフロンティア企業が押さえる2つの基礎

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Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
この4つを押さえているフロンティア企業には、さらに共通して押さえている2つの基礎 があります。それが インテリジェンス(Intelligence)トラスト(Trust) です。

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Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
現場では、シフトごとに"クリーンなハンドオフ"が必要です。すべてのシフトは「引き継ぎ」で終わり、次のシフトもそこから始まる。その合間には、タスクがキューのように並んでいる。連続性が業務フローの中に組み込まれている、この状態が私は大好きです。

監督者(supervisor)が自分のシフトを始めるとき、どこに課題があるかを把握して、ダウンタイムが起きないように対処する。アクションを適切な人にルーティングし、シフトを終えるときには、次の担当者が完全に情報を引き継げる状態で退勤できる。こうやってフロー全体をより効果的にし、人にとっても、目の前の作業にとっても、より良い成果をもたらす機会を作るんです。

インテリジェンスを業務フローの中に埋め込むこと 。これが本当に大事なんです。

ゲスト登壇①: Yitzhak Kesselman 氏(Microsoft CVP, Fabric Real-Time Intelligence)

Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
ここで、ステージにお一人お迎えしたいと思います。Fabric Real-Time Intelligence と Fabric IQ のグループを率いる、Yitzhak Kesselman に登壇いただきます。彼と一緒に、"インテリジェンスレイヤー"が現場でどう機能しているのかをもう少し深掘りしていきましょう。

Yitzhak、ようこそ!まずは1つ目の質問から。製造業が日々収集しているデータと、実際にオペレーションに適用できるインテリジェンスの間にある最大のギャップは、今どこにあると思いますか?

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Yitzhak Kesselman氏(Microsoft CVP, Fabric Real-Time Intelligence)
ドイツ、ヨーロッパ、そして世界中の製造業の皆さんと再びお話しできることを、本当に嬉しく思います。

今日の問題は、データの量や、データの集め方ではないんです。問題は "データが分断されていること" です。工場のフロアからも、サプライチェーンやERPシステムからも、本当に大量のデータが生まれています。でも、そのデータは互いに繋がっていない。フロアで起きているシグナルが、サプライチェーンや顧客への下流の影響と結びついていないんです。

この"分断"をつなぎ合わせる作業に、お客様は膨大な時間を使っています。AIを適用しようとすると、これがさらに複雑になり、組織そのものの動きを根本的に遅くしてしまう。

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Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
なるほど。それでは、Microsoft のような"信頼できるパートナー"は、ここでどのような役割を果たせるのでしょうか? インサイトからリアルタイムなオペレーショナル・インテリジェンスへと、製造業を進化させていくために。

Yitzhak Kesselman氏
Microsoft の役割は、まさに この"未来の工場"を実現できるようにすること です。

まず、すべてのデータとシグナルを1つの「Fabric」に集約する。セキュアで、ガバナンスされた状態で、1つの場所に集める。これはお客様にとっても、私たちにとっても、超重要なポイントです。

そこから、エッジ側では様々な接続規格を経由して、現場のあらゆるシグナルを収集します。温度、圧力といった従来型のシグナルも含めてです。ただし、データを集めてつなぐだけでは不十分。私たちがこだわっているのは 「現場(plants)と業務(business)の統一されたコンテキスト」 を作ることです。これが、オントロジー と Fabric IQ が活きる場所。製造現場と下流のビジネスを同じ文脈で理解できるようにする。それが、Human ingenuity と AI が協働するための土台です。

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Yitzhak Kesselman氏
そしてここが、まさに AIが得意とする領域 です。製造業のデータを一気に"折りたたみ"、そこにビジネス側のシグナルを重ねていく。たとえば、温度のデータと生産のシグナルを、全部一緒にまとめる。そうすると、もうレポートを見る必要すらなくなる んです。システムが自ら何をすべきかを理解し、インサイトを下流のアクションとして自動的に駆動していく。リアクティブ(反応的)から、プロアクティブ、そして自律的(autonomous)へ の移行を実現する、本当の意味の「オペレーショナル・インテリジェンス」を作り出すわけです。

NVIDIAとのパートナーシップで描く "Factory of the Future"

Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
素晴らしいですね。Microsoft が幅広いエコシステムと仕事をしていることは、皆さんご存知の通り。その中には当然 NVIDIA も含まれます。Microsoft Fabric と NVIDIA、そしてフィジカルAIやシミュレーションの組み合わせで、製造業にとって何が解き放たれるのでしょうか?

Yitzhak Kesselman氏
NVIDIA とのパートナーシップで、私たちはこれをさらに一歩先に進められます。

まず、工場のフロアプランや各種機械をリアルタイムで3D可視化 できるようになります。製造現場で何か起きたら、それを3Dで視覚的にすぐ追跡できる。問題の緩和が、ずっと早く、直感的にできるようになります。

ただ、これはまだ最初のステップに過ぎません。次のステップは、データ上でシミュレーションを走らせること です。物理アセットを何も変えずに、データ上で変更をシミュレートする。工場内の変化だけでなく、その変更が起きた場合の"下流"への影響まで見られる。マニュアル(手作業)からプロアクティブ、そして予測的(predictive)へ の本当の意味での移行が実現する。これが未来の工場、未来のオペレーショナル・インテリジェンスの姿です。

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Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
ここで、少しビデオを見ていただきましょう。

(会場でデモ映像が再生)

ビデオの要約
「Factory of the Future — データとフィジカル・オペレーションが協調して、継続的にショップフロアを改善する世界」。Kuka Robotics、Hexagon Robotics、NVIDIA を連携した生産ラインが紹介される。

  • エッジで Azure IoT Operations がアセット・設備・ロボットからシグナルを取得
  • データは Microsoft Fabric に集約され、分析とAIの共通基盤となる
  • Kukaロボットが部品を加工し、Fabric Real-Time Intelligence がドリフトを検知して予兆に対応
  • Hexagon Robotics AI が完成品を検査し、要件を満たすもののみが組立・梱包に進む
  • Fabric RTI × NVIDIA Omniverse が、デジタルモデルを現場のラインと常時アライン
  • 仮想で検証した改善を物理ラインに反映。サイクルごとに学習・適応・改善する

Yitzhak Kesselman氏
このビデオで僕が一番エキサイトするポイントは何か。それは、「これが未来の工場の姿」ではなく、「これが今日、現実に使える世界」 だということなんです。

ハノーバーメッセのブースにも来ていただければ、今お見せした、リアルタイムにデータを取得し、インテリジェンスで解釈し、シミュレーションを回す世界が、グローバルな製造業のビジョナリーたちによって実際にオペレーションで使われている のが見られます。これがオペレーション効率を駆動しているんです。

Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
素晴らしい。Yitzhak、本当にありがとうございました。

ゲスト登壇②: Christoph Klenk 氏(Krones AG CEO)

Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
さて、セッション最後のパートは、Krones から特別ゲストをお迎えしたいと思います。Christoph、ステージにお越しください。

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Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
Krones さんは、この市場のシフトにおける尖った好例です。75年の歴史を持つ企業 が、「変わり続けない限り成功にとどまれない」というシンプルな真実を理解している。今、彼らはクラウド、データ、シミュレーション、AI を、自社オペレーションのための圧倒的な競争優位に変えています。飲料、食品、液体業界のお客様を世界中で支えている会社です。あとでブースに立ち寄っていただければ、実機もご覧いただけます。

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Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
Christoph、ようこそ。まずはおめでとうございます! つい最近、Roland Berger と Microsoft の共同アワード(AIをリードする企業に贈られる賞)を受賞されましたね。これは本当にインクレディブルです。おめでとうございます。

Krones さんはデジタルツインを、単なる可視化を超えて、リアルタイムのビジネスインパクトを生む存在にしている。これは本当に注目すべきことで、私たちもパートナーとしてとても誇りに思っています。

まずはパートナーシップから伺いたいのですが、目指しているゴールと、その中で Microsoft が戦略的パートナーとしてどう貢献できているか、Christoph としてはどう考えていますか?

パートナーシップを決めたのは「"市販ソフト"では届かないドメイン知識の壁」

Christoph Klenk氏(Krones AG CEO)
話したいことはたくさんありますが、まずはパートナーシップから。

私たちは 160ヶ国のお客様に機械を届けている、2万人規模の機械メーカー です。膨大なドメインノウハウを持っていて、それを最適化し、AIにも取り込みたいとずっと考えていました。

最初は「5%ぐらい改善できたらいいな」という話ではなかったんです。Microsoft とはすでに商業的なスピード感で大規模なパートナーシップを組んできた中で、"私たちのドメインノウハウを、どうやって本当にAIに載せられるのか" という議論が始まりました。

面白いのは、全ては車の中の会話から始まったということ。私たちの社員とMicrosoftのメンバーが車に同乗していて、「何か一緒にやろう」という話が出た。そこから始まっています。

そして、このパートナーシップでユニークなのは、Microsoftが"テーブルに並べられるリソースの厚み"を提供してくれる ところ。私たちは売上6億ユーロ規模の、いわば小さな会社です。でも、Microsoftが持っているようなスケールのリソースを、独力では揃えられない。それが可能になるのが、このパートナーシップです。

「プロトタイプとパイロットにはもう飽きた」

Christoph Klenk氏
もう1つ、大事なことを付け加えさせてください。私はCEOとして、この10年、ビジネスモデルのデジタル化、AI、その他あらゆることをやってきました。そして正直に言うと、プロトタイプとパイロットには、もう飽き飽きしています

私の問いはいつもこうでした。「実際のビジネスに入り込み、お客様のためにものごとを本当に速く、良くする"何か"を作れるのか?」と。

Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
その質問、まさに今日話したかったポイントなんです。私たちの最初の会話でも、「パイロットに居続けてはいけない、ビジネスに本当の価値を届け、意味のある成長をつくる場所に行かないといけない」と。Krones さんは、イノベーションをビジネスに意味のある形でどうスケールさせたのでしょう?

Christoph Klenk氏
まず、私たちは基本的に 製品と機械、つまり"フィジカルなエッジ"で働いている会社 です。なぜかというと、演算能力そのもので強みを出し続けなければならないから。常に競合よりも良いものを届け続ける必要がある。これは、フィジカルな限界との戦いです。

競合と差別化するためには、大規模なプロジェクトで、それを耐久性を持って届けるしかない。そして、息の長い取り組みになる。私たちも自分たちなりに道を歩み始めたのですが、ここで本当に大事なのがパートナーシップでした。

エンタープライズ・スケールのパートナーと組むことで、失敗すらもスケールさせられる んです。このアプローチでは、みんな何回も失敗します。データ入力、構造、動かすためのデザイン、こうしたものを全部動かし続けなければならない。そのときに、この力強い組織のリソースが周りにあるというのが、決定的に効きました。

ビジネスインパクトは "週単位が分単位に"

Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
では実際のビジネスインパクトはどうですか? どのように効きましたか?

Christoph Klenk氏
私たちが展開しているアプリケーションは、Microsoft のブースでも見ていただけます。最初は「小さい」と感じるかもしれません。後ろに充填機械が見えますよね。私たちにとっての大きな課題は、ボトルの中で液体(製品)が大きく動いてしまう ということなんです。

個別の現象だけを見れば小さい問題です。ただ、どのオーダーでも膨大な回数それが繰り返される。その結果、膨大な工数になってしまう。今までは 数週間 単位の反復作業・テストドライブが必要で、お客様はずっとその完了を待っている状態でした。

ところが、今私たちが作ったものでは、お客様とのプロセスを劇的にスピードアップ できるようになりました。お客様はこれを心から気に入ってくれていますし、何より重要なのは、必要な工数を"分単位"にまで削減できる こと。これはインクレディブルです。

そして、これは プロトタイプではなく、実際に動いている 。CEOとしての私にとって、これが何よりも大事なポイントです。

リーダーへの助言 — 「何度でも失敗しろ、ただし一歩も引くな」

Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
この旅を始めようとしているリーダー、あるいは途中にいるリーダーに、どんなインサイトを共有できますか?

Christoph Klenk氏
私は、こうした新しいテクノロジーには絶対に投資すべきだと強く信じています。そして、同じアプローチで何度もつまずいてきました。

でも大事なのは、"まともなパートナー"が周りにいること、そして、プロトタイプ開発の苦しみの中で、あなたを助け出してくれる人たちがいること。これが何より重要です。そこから初めてスケールアップにつながっていく。

信念を持ち続けること。何度も失敗しますが、一歩も引かずに続ける。今のMicrosoftとの仕事の仕方は、まさにこのスタイルで、同じように成功している適用例が他にもいくつもあります。10年経って、ようやく今日の場所に立てたことが、本当に幸せです。

次のフロンティアは

Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
では次は? 何が見えていますか?

Christoph Klenk氏
今回話した"充填プロセス"だけでも、まだまだ応用できるテクノロジーがたくさんあります。他のアプリケーションにも、同じ考え方を持ち込める余地がある。ドメインノウハウをAIエージェントに取り込み、そのスピードで意思決定を助けてもらう 。これはもう エンドレスな旅 なんです。

お客様の次の足元にインパクトを与える、そして自社のビジネスをより効率的にするための "正しい適用先" を選び続けていく。これがこれからの仕事です。

Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
その言葉、本当に好きです。結局のところ、問題に一番近い人たち 、彼らのエキスパティーズと実体験こそが、ジャンプを生み出すんです。Christoph、今日は本当にありがとうございました!

クロージング — "Building on AI" の時代へ

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Deb Cupp氏(Microsoft President & CRO)
短い時間でしたが、本当にたくさんのことを話しました。今日わくわくしているのは、私たちが "AIで実験する(experimenting with AI)"時代から、"AIの上にビジネスを築く(building on AI)"時代 へと、実際に移りつつあることです。

ただし、これは次の条件を満たして初めて成立します。

  • コンプライアンスが守られていること
  • 人間、あなたの組織の人々が、この野心の一部であり続けること

私たちにとってAIは、人間が最高の仕事をできる機会を共創するためのパートナーシップ です。たくさんのお客様、そしてパートナーと一緒に、それを作っている。Christophが話していたように、これは技術だけの話ではありません。人間、ワークフロー、それらを組み合わせるやり方 、それこそが組織にとってパワフルなものを生み出します。

そして私たちは、ドイツへの深いコミットメント を持ち続けます。Microsoftはドイツに40年以上、深く投資してきました。これからもこの国の経済を支え続けたいと思います。

Hall 17 G6 のブースでは、今日ビデオで見ていただいたものを、実際にライブで動作するデモ として展示しています。大きなブースなので、見逃すことはないはず。ぜひ立ち寄ってください。

最後にもう一度、皆さんにメッセージを。

  • 価値を生み出すものにフォーカスしてください
  • アウトカム(成果)を生み出す機会にフォーカスしてください
  • あなたの組織の"人"を、この野心の一部にする方法にフォーカスしてください

そこでこそ、ものごとが本当に輝きます。本日は本当にありがとうございました。

「価値」にどこまでも重点を置く一貫した構成のプレゼンテーション

このブログを書きながら改めて思い起こしていたんですが、どこまでも実直に「価値」に重きを追いているのが印象的でした。力のかけ方が凄いんですよね。最上位層の経営幹部が今回スピーカーを務めています。

  • Microsoft President & CRO の Deb Cupp 氏が直接登壇する重み
    今回のセッションは、Satya Nadella氏の配下で全世界の営業・マーケティングを統括する Microsoft のPresident兼CRO、Deb Cupp氏 が自らキーノートに立つ構成でした。製造業イベントの会期中のブースセッションにこれほど上位の経営幹部を投入してくる事実
  • Intelligence と Trust を並列で置く構造
    「Frontier Manufacturer の4要件 → それを支える2つの基礎」というフレーミングが、非常に腹落ちしました。Intelligenceだけ強調せず、同じ強さで Trust(ガバナンス)を並べている のは、ドイツのように規制と産業データ主権を重視する市場に対する、Microsoftのポジション取りをそのまま表していると感じます
  • Fabric IQ × NVIDIA Omniverse の座組
    「データレイヤーは Fabric、物理×仮想の橋渡しは Omniverse」という役割分担が、ハノーバーメッセ2026全体の文脈の中でもハッキリ見えてきたな、と感じました。特にEdge(Azure IoT Operations)→ Fabric → Fabric IQ → Omniverse というレイヤー構造は、Microsoftの製造業向けスタックの全景を非常にクリアに打ち出しています
  • Krones CEO の "I'm fed up with prototypes" 発言
    10年間デジタル化をやってきたCEOが公式の場で、「プロトタイプとパイロットにはもう飽きた」 と言い切る。"PoC疲れ"という言葉が、製造業界でもう共通言語になっていることを改めて感じました。どこでもよく使われる単語ですが、改めて聞くと「そりゃそうやな…」とも感じます

ハノーバーメッセは"製造業のオリンピック"と呼ばれることもありますが、まさにその最大舞台で、パブリッククラウド側プレイヤーが「業界への覚悟」をどう語るか を直接聴けたのは、貴重経験でした。

Microsoftブースには、別日程で訪問する予定です。これも非常に楽しみにしていますし、詳細に皆さんにその様子をお届けできればと思ってます。

それでは今日はこのへんで。濱田孝治(ハマコー)でした。

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