なろうフルリモートPM!八ヶ岳に移住したプロマネが大切にしていること
プロジェクトマネージャー(以下PM)に必要なものとは。ーークラスメソッドは幅広くビジネスを展開する上でエンジニアと同様PM職も積極的に採用活動を行っています。
そこで、まずは社内のことを知ってもらおうと社内に20名以上いるプロマネのメンバーにそのキャリアや仕事術を話してもらう記事を不定期でお届けします。初回は「セブに移住しようとしたが、色々あって長野にログハウス借りて住んでる人の話」で話題を集めた山本一郎のインタビューを掲載。多数のメンバーがフルリモートワークのクラスメソッドにおいて、長野・八ヶ岳という場所でチームワークを邁進する山本にそのキャリアとPMの勘所を聞きました。以下よりインタビュー記事をどうぞ。
立ち上げ、フリーランス、そしてPMへ
CX事業本部 モバイルアプリサービス部の山本です。2004年ごろにクラスメソッドに入社しましたが、それ以前はアメリカのインターネットストリーミングサービス企業で日本支社の立ち上げメンバーとして配信事業やネットワークインフラ構築をしていて、退職後はフリーランスでデザイナーをやっていました。
2004年当時のクラスメソッドは会社も小規模。開発の案件以外にも、会社案内の制作から営業や採用、機材調達、資産管理まで企業としてやるべきことは何でもしていましたね。
もちろんお客様との折衝や開発メンバーのアサインもやっていたので、PMのような業務も行っていました。当時はPMとも思っていなかったし、それが何かもわかっていなかったので体当たりです。担当領域を決めず、プロジェクトが成功するために必要だと思うことをただ行動していくような。今思えば恥ずかしいですが、瑕疵担保責任の意味がわからずに、仕事相手の先輩PMに教えてもらったりしてました(笑)。
PMらしい仕事が増えてきたのは2012年頃からで、会社がモバイルアプリの開発事業を始め、私もアプリ開発の顧客開拓・UIデザイン・マネジメントをするようになりました。およそ10年になりますけれど、やればやるほどまだ自分が知らないことだらけだなって気付かされます。奥が深くて自分はまだまだだなあと思います。
PMは「チーム全体」を大切にするもの
PMと一言でいっても企業やプロジェクトによって求められる役割は違いますが、私が思うPMの役割のひとつに、顧客や他の開発会社を含めた「プロジェクトチーム全体のパフォーマンスを最大化していくこと」があります。
「プロジェクトチーム全体」とは、私の場合は所属する組織関係なく、そのプロジェクトに関わる人や会社までを含めたものという捉え方をしています。
特に受託開発プロジェクトの場合、顧客と開発会社が1:1ではなく、サブシステム単位で開発会社がわかれるケースも多いと思います。自分らの担当領域をQCDSしっかり守って完遂させることも当然大事ですが、「プロジェクトの成功=顧客のビジネスゴールの達成」が本来の目的なので、部分的に開発がうまくいっても意味がないと考えています。
ですので、プロジェクトの進め方や計画を考える時は、そのプロジェクトに関わる人や組織の考え方や文化、コミュニケーションプロセス、プロジェクトへのスタンス(関わり方)も考慮していきますし、プロジェクトを進めていく中でも、各社の状況は常に変化していきますので、定例会議や普段のやりとりの中で課題の芽を見つけたら、別け隔てなくプロジェクトチーム全体がスムーズに動けるよう調整していきます。
プロジェクトマネジメントの手法については、唯一の最適解があるわけではなく、プロジェクトごとの特性によって適切なアプローチは変わってきますからここでは割愛します。幸いなことに、私たちは先人が築いた体系的な知識をネットでいくらでも入手できますので、頭でっかちにならない程度に吸収して、あとは現場で実践して自分のスタイルを見つけていくのが良いと思います。
リモートPMの非言語コミュニケーション術
かくしてプロジェクトはナマモノなわけですが、チーム全体の課題や状況が双方向でちゃんと見えていないと、予期せぬ方向に動きかねませんので「コミュニケーションの質」が大事になってきます。
コミュニケーションには言語(言葉としての内容)、非言語(表情や声のトーンなど)の二種類があり、実は非言語から汲み取る部分の方が圧倒的に多いと言われています。普段オフィスや定例会議で顔合わせていれば容易に汲み取れるものも、フルリモートでいざ画面越しとなると体感で50%以下くらいに落ち込みます。カメラを切るともはや30%くらいでしょうか。
これだけ見ると「リアルに勝るものなし」となりますが、リモートとはそういうデメリットもあるよ、という前提にたって工夫することである程度はカバーすることができます。 実際にやっていた工夫をいくつかご紹介します。
1. カメラを自分からオンにする
これは環境的にできない事情の方もいると思いますので強制するものではないのですが、カメラをオンにして問題ない人は、相手のためにしておくことをオススメします。
2. あえてどうでもいい話をする時間を作る
Slackで雑談用チャネルを作ったり、会議で議題に入るまでの間に少し雑談したりする時間を意識的に作っていくとよいです。これは顧客や他の会社も含めてオープンな場作りになります。良いコミュニケーションは良い人間関係から生まれます。
3. チャットメッセージでは長文を打たない
読む方は長文なだけで「ウェ」ってなるので、伝えたいことがたくさんある場合でも1ストロークの量を小さくすると相手もすぐに反応してくれます。プルリクと同じです。
4. テキストは主語と目的語をハッキリと書く
口頭で話す時はこれらを端折っても相手に意味が通じますが、文字だとなぜか誤解が生まれやすいので、日本語の場合、主語と目的語は面倒でもハッキリと書くと良いです。
5. スタンプでもよいので気づいたら反応する
チャットでメッセージにスタンプで良いので「見たよ!」とか「いいね!」とかでも何かしらリアクションをバンバン入れていくと、全体のコミュニケーションに軽さと活気が出てきてやがて習慣化されます。
6. お互いに小さい感謝をたくさん伝える
発言にすぐレスくれたり、困ってる時にサポートしてくれたら、すぐにその場で小さい感謝を恥ずかしがらずに伝えていきます。めちゃくちゃ上手くいったプロジェクトほど感謝のスタンプやメッセージが多かったっていう社内実績がありますので、本当に大事です。
リアルに会って仕事をするのに比べて、リモートワークは相手の細かな表情や仕草・動きがわかりません。お客さまによっては顔出しをされないケースもあります。制限はありますが、取り得る限りでできるだけ情報量の多いコミュニケーションを多く行うことで、リモートワークでもプロジェクトを成功させることができます。
今の時代、オンラインでコミュニケーションを効率化する便利なツールはたくさんあります。Teams、Slack、Backlog、Notion…挙げたらキリがないですよね。会社のセキュリティポリシー的にこのツールは使えない…という場面もありますが、プロジェクトがキックする前段階で、どういったツールが利用できるかも顧客や関わる会社と確認しつつ、使えそうなものは積極的に提案して活用していきましょう。
ただこれらツールはテキストでやり取りをすることがベースになっています。ですので先ほどの書いたような自分なりの工夫をすることと、テキストベースのツールに頼りすぎないということも大事になってきます。よく陥りがちなケースとしては、SlackやBacklog上で論戦を繰り広げてしまうパターンです。「正確なやり取りの記録を残す」という意味では良いですが、「お互いが考えていることを理解し合って着地点を探す」といった場合は、Backlogで書いた後に電話一本した方が早い場合もあります。
リモートワークの今とこれからのPMの課題
コロナ禍のせいと言うかおかげと言うか、特にIT業界ではリモートワークする機会が増えてきましたね。会社としてはとてもやりやすくなっているのですが、一方で原因不明の体調不良に悩まされる人が増えたり、何気なく顔を合わせる機会が減ったことで、そういった異変をキャッチアップするのも大変になってきている気がします。
なので時にはオフィスに出社したり、同僚や顧客とリアルに交流する機会を作っていくことも健全な人間関係を育み、それぞれの心身のバランスを保つことに繋がると思っています。私たちはどこまでいっても人間ですからね。ここは大事にしていきたいですね。
(インタビュー終わり。取材:2022年2月)
自分のスタイルで働ける仕組みと文化
以上、山本のインタビューでした。ちなみに彼が見てきたクラスメソッドの(ある意味壮絶な)成長秘話は「クラスメソッドの創業期からいるワイがその13年間の軌跡を赤裸々に語っていく」に書かれているので、冒頭の「なんでもやっていた」話はそちらをご覧ください。
コミュニケーションがプロジェクトチーム全体をまとめて推進するポイントというお話でしたが、クラスメソッドではリモート主体の働き方に関する制度はもちろん、それらをスムーズにするためのツールや環境面のサポートを用意しています。場所やスタイルを自分にフィットした形にして働きたいと考えている方はぜひ採用サイトをご覧ください。PMでも多岐にわたって募集中です。