
【非エンジニアのためのClaude/ClaudeCodeシリーズ 】営業がClaude×Coworkでアカウントプランをゼロから作ってみた
はじめに
普段からClaudeは使っているのですが、正直なところほぼチャットでしか使えていませんでした。
社内ではClaudeを活用した業務自動化の話題が増えており、エンジニアを中心に様々な使いこなし事例が出てきています。
業務をもっと自動化していきたいが、「どこから手をつければいいか」「何を自動化できるのか」様々な事例がある中、選択肢が多くてなかなか最初の一歩を踏み出せないことってよくあると思います。
そこでまず、自分が一番時間を使っている「商談準備」から試してみることにしました。 これまでの商談準備はWebを調べ、CRMを読み返し、提案の切り口を考えるという作業を手動でやっていました。
時間もかかるし、どうしても調査が浅くなりがちでした。
今回は「顧客調査 → 仮説の壁打ち → アクションプラン作成」という一連のフローを、Claudeチャット×Coworkを使って試してみました。 自動化の第一歩として、まずは手動フローで何ができるかを確かめるところから始めています。結論から言うと、プロンプトを都度コピペする手動フローでも、十分すぎるほど使えました。 しかも想定外の発見もあったので、その体験をそのままお伝えします。
やったこと全体像
| STEP | ツール | 内容 |
|---|---|---|
| STEP1 | Claude(claude.ai) | 顧客調査(5項目を丸投げ) |
| STEP2 | Claude(claude.ai) | 仮説の壁打ち(「なぜ今・なぜAWS」) |
| STEP3 | Cowork × HubSpot | アクションプラン作成 |
STEP1|顧客調査をClaudeチャットに丸投げしてみた
使ったプロンプト
既存顧客へのアップセル商談を前に、以下のプロンプトをClaude(claude.ai)に貼り付けました。
※実際のプロンプトでは具体的な顧客名はマスキングし、社内で利用が承認されたオプトアウト設定済みの環境を使用しています。
# 前提
私はクラスメソッド株式会社のAWS営業です。
A社は既存顧客で、現在アップセルを検討しています。
# 依頼内容
以下の5点について、AWS営業として商談準備に使える形で教えてください。
## 1. 会社・事業の全体像
- 主要事業・製品ポートフォリオ
- 売上規模・従業員数・グループ構造
- 最近の経営方針・中期計画のキーワード
## 2. AWS・クラウド活用の現状
- 公開情報から読み取れるクラウド活用の動向
- AWSとの関係(導入実績・事例)があれば
## 3. 競合(他社クラウド)の状況
- Azure・GCP・その他との関係性で公開されている情報
## 4. 担当部門が抱えそうな課題
- 業界共通課題
- 顧客固有の事業課題(IR・ニュースリリースから読み取れるもの)
## 5. AWSアップセルの提案切り口
- 上記を踏まえて、クラスメソッドとしてどんな提案が刺さりそうか
- 具体的なAWSサービス名も含めて3〜5案
# 出力形式
各項目を見出しで区切り、箇条書きで簡潔にまとめてください。
情報の確実性が低いものは「※推測」と明記してください。
結果の評価
| 項目 | 使えた度 | コメント |
|---|---|---|
| 1. 会社・事業の全体像 | ★★★ | 知っていた情報と概ね一致。確認用として有効 |
| 2. AWS・クラウド活用の現状 | ★★★★ | ここが一番良かった(後述) |
| 3. 競合の状況 | ★★★ | 「※推測」が多いが仮説として使える |
| 4. 担当部門の課題 | ★★★ | 業界共通課題として納得感あり |
| 5. 提案切り口 | ★★★ | AWSサービス名つきで出てくるのが助かる |
5項目すべてがそこそこ使えたのが正直な感想です。特に「2. AWS・クラウド活用の現状」では、クラウド移行の経緯や具体的なサービス名、IoT基盤の本番稼働時期まで出てきており、「この情報を商談の切り口に使える」と感じました。
この精度で何が変わるか
完璧な情報ではありません。「※推測」と書かれている情報も多いです。ただ、**「商談の当たりをつける」「仮説を持って臨む」**という目的には十分でした。以前は調べるだけで30〜40分かかっていた作業が、プロンプトを貼って5分待つだけに変わりました。
STEP2|仮説の壁打ちをClaudeチャットでやってみた
使ったプロンプト
STEP1の調査結果をそのままコピーして、続けて以下を投げました。
上記の調査結果を踏まえて、AWS営業として
A社にアップセル提案をする場合の
「なぜ今・なぜAWS・なぜクラスメソッド」の
仮説を壁打ちしてください。
顧客から想定される反論と、その切り返しも含めてください。
結果
「なぜ今」のトリガー、「なぜAWS」の根拠、「なぜクラスメソッド」の差別化ポイントが整理されて出てきました。さらに顧客からの想定反論と切り返しまで出力されたのが予想以上に使えました。
AIと仮説を作ることへの考え方
ここで少し補足しておきたいことがあります。「AIと仮説を作っている」と聞くと、「そんな営業で大丈夫?」と思われる方もいるかもしれません。
営業としてのミッションはあくまでお客様が抱えている課題を解決することです。Claude(claude.ai)が出力する仮説や調査結果は「商談で使うネタを作るための下準備」という位置づけであり、そのまま商談で使うわけではありません。
AIの出力には「※推測」が含まれることも多く、内容は必ず自分でチェックしています。重要な提案の場合はマネージャーとも事前に確認してから商談に臨んでいます。AIはあくまで「仮説を速く広く出す補助ツール」であり、最終的な判断と責任は人間が持つというスタンスで使っています。
このスタンスを持った上で使うことで、商談の質を下げるどころか、より深い課題ヒアリングに時間を使えるようになったというのが率直な実感です。
STEP3|Cowork × HubSpotでアクションプランを作ってみた
※CoworkとHubSpotの連携は、社内でセキュリティ検証・承認された安全な環境で実施しています。データが外部のAI学習に利用されない設定で運用しています。
CoworkにHubSpotを繋ぐ手順
- Coworkを開く
- 設定メニューから「コネクター」を選択
- HubSpotを選択してOAuth認証(HubSpotアカウントで承認するだけ)
- 接続完了
使ったプロンプト
A社のHubSpot上の商談履歴・活動履歴を確認して、
AWS営業としてアップセルに向けた今後3ヶ月の
アクションプランを作ってください。
以下の形式でお願いします:
・最優先アクション(今週中)
・次回商談のアジェンダ案
・確認すべきキーパーソンと役割
・月次でやるべきフォローアップ
結果:想定通りの成果+想定外の発見が2つ
① 本来の目的:自分のアクションプランが作れた
商談・コンタクト・活動ログを横断的に読むことで、具体的なアクションプランが出力されました。「最優先アクション(今週中)」「次回商談のアジェンダ案(60分構成)」「キーパーソンの優先度マップ」「月次フォローアップ」まで一気に整理されました。
特に有用だったのは**「構造的な課題」の指摘**です。複数の商談データを横断することで、1件ずつCRMを読んでいると気づきにくいパターンが浮かび上がってきました。
② 想定外①:自分以外の担当者の動きも把握できた
「自分の担当分だけに絞ってください」と追加指示することで、自分の案件のみに絞り込めました。逆に「自分以外の担当を抽出して」と指示すると、チーム全体のアカウント状況を俯瞰できることも発見。マネージャーが使えばチーム全体の案件管理にも応用できそうです。
③ 想定外②:CRMの記入漏れに気づけた
HubSpotの商談データを横断的に読むことで、「この案件、失注理由が入力されていない」「このコンタクト、6ヶ月以上接触記録がない」といったCRMの入力漏れや放置案件が自然に浮かび上がってきました。アクションプランの精度を上げるためにCRMを整備する、という使い方もできます。
やってみてわかったこと
チャットの手動コピペフローでも十分使えます。
今回のSTEP1〜3はすべて「プロンプトをコピーして貼り付ける」という手動操作です。自動化はしていません。それでも、以前の商談準備と比べるとスピードと網羅性が大きく変わりました。
ポイントは「完璧な情報を求めない」ことです。Claude(claude.ai)の調査には「※推測」も含まれます。ただ、**「商談の当たりをつける」「仮説を持って臨む」**という目的には、このレベルで十分でした。むしろ仮説を持って商談に臨むことで、顧客から本音を引き出しやすくなった実感があります。
まとめ
| Before | After | |
|---|---|---|
| 顧客調査 | Web検索で30〜40分 | プロンプト貼って5分 |
| 仮説整理 | 自分の頭だけで考える | 反論含めて壁打ちできる |
| アクションプラン | CRMを手動で読み返す | 3ヶ月プランが自動生成 |
| 気づき | 1件ずつしか見えない | 全案件横断でパターンが見える |
Claude(claude.ai)は「商談の当たりをつける武器」として使えます。 高度な設定は不要で、プロンプトをコピペするだけで始められます。
次回予告
今回は手動フローで試しましたが、毎回プロンプトをコピペするのはやはり手間です。次回はこのフローをCoworkの「スキル」として登録し、顧客名を入れるだけで一連の調査〜アクションプランが自動実行される状態を作ってみます。
自動化することで何が変わるか、ぜひお楽しみに。







