
クラスメソッド発 製造業アドベントカレンダー2025の紹介
「DevelopersIOでも製造業ネタで、どんどこ情報発信したい!」
というわけで、今年もやってきました。クラスメソッド発 製造業 Advent Calendar 2025。
このアドベントカレンダーは、クラスメソッドのメンバーが、製造業に携わるすべての人を対象に、業界トピックや、製造業におけるIT活用(クラウド、AI、IoT、データ分析)まで、幅広いトピックをお届けするアドベントカレンダーです。
DevelopersIOは、非常に歴史が長くクラスメソッドのアウトプット文化の代名詞とも言うべき存在ですが、その内容は主にIT技術そのものの情報が多いのも事実。
このブログでは、企画発起人のハマコーが、製造業アドベントカレンダーの各記事を紹介する内容となっています。是非製造業に関わる方は一覧眺めてもらって、気になる記事をもっと深堀りしてください!
製造業アドベントカレンダー 2025の紹介
クラスメソッドの製造ビジネステクノロジー部は、「クラウドとリアルの融合により製造業の新しい可能性を切り拓く」をミッションに、製造業の顧客を中心に価値を届けています。今、部署にはだいたい50人ぐらいのメンバーがいるのですが、そのメンバーが日替わりで記事を記載しています。
ちなみに同じ企画を去年も実施しておりました。こちらも良い記事てんこ盛りなので、ぜひこちらも見てみてください。
12/1 OTとITが手を取り合って進める製造業DXの進め方
偏見かもしれません… しかし、私自身いろいろなお客様と話をする中でどうしてもOT(工場側)とIT(情シス側)の分断やコミュニケーション不備の話は、本当によく話題にあがります。
この記事では、実際に私がプロジェクトマネージャーとして関わった以下の事例を題材に、OTとITがうまく一つの方向を見据えてプロジェクトを進めていくための勘所をまとめて紹介しています。
ロッテ様事例|工場の設備データを「PLC Data To Cloud」で可視化。アジャイル開発により内製化のノウハウを獲得
12/2 製造現場と Excel のリアルな関係を考える〜脱 Excel ではなく「寄り添う」ための視点〜
クラウド利用の拡大の中でとかく悪者にされがちな「Excel」。ただ、Excelを無理やりなくすことで、本当に狙った業務効率化ができるのか?それは本当に誰もが願う未来なのか?今改めて、Excelが製造業の現場でどのような役割を持っているのか。もしこれを改善するならどのようなアプローチが必要なのか。
いきなり「脱 Excel」を目指して現場の反発や混乱を招くのではなく既存の Excel 運用を正しく評価し、どこを残しどこをシステム化・自動化し、どこに生成 AI を組み合わせるかを一緒に設計していくことが重要だと考えています。
AI時代のExcelの役割の再定義とともに、その方向性を提言するブログです。
12/3 [Amazon Bedrock] Claude Sonnet 4.5で圧力計の針を読み取る 〜YOLOセグメンテーションによる前処理で精度向上〜
画像認識を事前学習しないLLMで実施することは、製造業において非常に汎用性が広いユースケースだと思います。
例えば、アナログメータのデジタル化。もともとデジタルとしてデータを出力しないアナログメーターを、手間や費用を極力おさえてデジタルデータに変換するには、汎用的なLLMを利用を検討するのはマストだと思います。
このブログでは、アナログメーター(圧力計)の目盛り読み取りを題材に、LLMをそのまま利用するのではなく、圧力計の針を強調表示する事前処理を入れ、LLMのプロンプトを調整することで、LLMによる目盛りの読み取りの精度を大幅に向上したという内容になってます。
このユースケースにおいて、「LLMだと全然精度がでない…」と思う方には、絶対参考になるブログなので、是非御覧ください。
12/4 AIに任せること、人がやること——製造業デザインの現場から
実はクラスメソッドの製造ビジネステクノロジー部には、デザイナーが4人います。あまりこういう組織にデザイナーがいること自体珍しいかもなのですが、エンジニア主体の組織では絶対実現できない専門性が高いデザイナー職種は、製造業関連のプロジェクトでも引っ張りだこです。
このブログでは、製造業プロジェクトにおいてデザイナーが日々どのような観点でAIを使いこなし業務を進めているかが詳しく記載されています。AIで良いところ、人間がやるべきところ、AIで節約した時間を人間はどこに使うべきなのか?など、多方面からデザイナーが製造業プロジェクトで価値を出しているのかが、イメージできる内容になっています。
12/5 外れ値に負けない棒グラフを考える
製造ビジネステクノロジー部には、フロントエンドエンジニアももちろん在籍しています。
自分はエンジニア経験もインフラ〜サーバーサイド側に寄っていてこんな観点でグラフを考えたことがなかったので、めっちゃ参考になりました。個人的には「2.軸の途中で空間を歪める」がお気に入りです!
製造業の現場でも設備データなどで同様のケースがある場合も多いと思います。普段意識しない観点の内容だと思うので、是非参考にしてもらえれば。
12/6 AWS re:Invent 2025のインダストリーブースで見る製造業の未来
re:Invent 2025のExpoインダストリーブースの様子です。多方面にわたって製造業におけるAWSや関連テクノロジーの活用ユースケースが盛りだくさんで、re:Invent 2025の中でも個人的に一番面白いコンテンツでした。
興味がある方は、もう少し深堀りしたこちらの登壇資料もあるので、ぜひ御覧ください。
登壇資料「ExpoのインダストリーブースでみたAWSが見せる製造業の未来」 #reInvent | DevelopersIO
12/7 Android Automotive OS を Raspberry Pi で動かしてみた
AAOS(Android Automotive OS)をRaspberry Piで動かす検証記事。製造ビジネステクノロジー部にはコネクテッドカーチームもあり、その中のエンジニアが執筆しています。AAOSの概要はこちらから。
Design for Driving | Google for Developers
Android Automotive OS(AAOS)は、自動車メーカーが自動車に組み込むインフォテインメント プラットフォームです。ドライバーは、スマートフォンを必要とせず、対応するアプリを車に直接ダウンロードして、車の画面用に設計されたインターフェースを使用できます。
そもそも自分が、AAOSというものを知らなかったのですが、あのAndroidが車載OSとして展開されているということで、まさに自動車がスマホとなるような未来を感じさせます。
この記事ではEC2にビルド環境を構築して、開発機にダウンロードするという流れでAAOSをインストールしています。AAOS試してみたいという人は、まずここから始めてみるのも良いかと思います。
12/8 Amazon Bedrock Knowledge BasesとAmazon S3 Vectorsを用いて、画像とメタデータによる部品検索を試してみた
ベクトル検索は、AI時代の検索手法として必須の技術ですが、それをベクトルストアとしては低コストのAmazon S3 Vectorsを利用してAmazon Bedrock Knowledge Basesと合わせて部品検索機能を構築するブログです。
内容を見ていたのですが、マネジメントコンソールを中心としたかなりシンプルな手順で検索機能が構築されているのがわかります。
これまでRAGなどの構築にAmazon OpenSearch Serviceのベクトルデータベース機能を使うことが多かったのですがコスト面がネックでした。今般、Amazon S3 VectorがGAされ、しかも東京リージョンで使えるということで、製造現場のあらゆるデータ(動画、画像、音声)のAI活用の最初の一歩として、試してみるのも良いのでは。
12/9 Grafana Assistantを使ってダッシュボードを自動作成してみた
Grafanaは、弊社の製造現場可視化サービスPLC Data To Cloudでも、ダッシュボードサービスとして採用しています。OSSとして提供されているオープン性とシステム監視にとどまらない非常に多様なユースケースを想定している点が、個人的に非常に好きなサービスなのですが、このGrafanaの最新機能、Grafana Assistantを使った、ダッシュボード自動作成機能の紹介です。
データソースを設定した後は、かなり柔軟な日本語による指示でダッシュボードが作成される様子が記載されています。この記事を見るだけでGrafana Assistantの非常に大きな可能性を感じることができるので、Grafana Cloudを使っている方、これから使おうと検討している全ての人に参考にしてもらいたい記事です。
12/10 製造業のアジャイル導入でたどり着いたスクラムのちょうどいい現場適用
ステークホルダーが非常に多岐にわたりがちな製造業のプロジェクトにおいて、アジャイルを機能させるために考えるべきこと、大事なことを、改めて深堀りしている記事です。
製造業の現場部門の方も含めたプロジェクトを推進する場合、主にIT文脈で利用されているアジャイルという文化や考え方に馴染みが無い方も多くいる場合があります。そんな未成熟チームでも「小さなアジャイル」で実践していく具体的な手法が記載されています。
しかし、アジャイルの目的は「型を守ること」ではなく、価値を届け続けること です。
この引用にあるように、アジャイルはどんな業態や参加者の集団においても適用しうることがわかります。複数人の集団で価値を出していくためのベーシックな考え方が凝縮されているので、製造業の方にもそうではない方にもオススメの記事です。
12/11 データを出さない設備からデータを取るには
製造業DXにおいて、今は取得できていないデータを集めるところから始めたい!というニーズは多くありますが、設備がデータ取得に対応していないということも多くあります。そんな時でも、様々な視点からデータを取得してみよう!という記事です。
電力、モーター監視装置、リレー信号、燃料使用量、スイッチ、重量、温度、湿度、表示版・メーターの読み取りなど、改めて俯瞰して考えてみると取得できそうなデータは結構あるので、そのあたり、この記事でざっと振り返ってみるのも良いと思います。
12/12 製造業×AI Agent。未来の技術を使いこなすための、地道で大切な第一歩
re:Invent 2025は前年以上に「AI」が色濃く出たイベントでした。このAIを製造業に活用していくうえで、いきなりシステム投資を考える前にやっておくべきことがある!という趣旨の記事です。
AI Agentは、私たちの仕事を奪うものではなく、整理された業務とデータを入力として、私たちの生産性を何倍にも増幅してくれるパートナーです。 そのパートナーが最大限の力を発揮できるよう、まずは私たちが現場の足元を固め、業務とデータの「翻訳」をしてあげる。
結論としては非常に地味かもしれないですが、いろんなサービス導入がうまく効果を発揮しなかったり、ITや設備投資により逆に生産性が下がってしまった、という失敗例はどんな業界にも多数あります。でもやはり、AIは今後の効率向上の武器として非常に大きな存在感になっていくことは間違いありません。
そんな中、今から考えておくべき基本中の基本の再考を促してくれる記事です。製造業DXの打ち手として、どんな場面でも必ず意識しておくべき点だと思うので、是非最初の羅針盤としてこの記事を読んでみることをオススメします。
12/13 M5StickC Plus2とCO2センサーで室内のCO2濃度を計測し、AWS IoT Core でデータを可視化してみた
自室のCO2濃度を測定したい人、多いと思います!自分もそうです。ただ、測定しただけでは淋しいので、そのデータをクラウドに上げてみたいと思う人も多いんじゃないでしょうか。
この記事には、M5StickC Plus2を使って、CO2センサーの値をAWS IoT Coreにアップロードする全ての手順が記載されています。AWS IoT Coreは、こういったセンサーデータを扱うには非常に有用なサービスですが、最初は取っ掛かりが難しいと思う人も多いんじゃないでしょうか。
具体的なユースケースとネタでこのようにクラウドにアップロードする手順の記事は、どんな現場でも参考になると思うので、AWS IoT Coreへの接続まで含めた具体的な手順を探している方にオススメの記事です。
12/14 AWS IoT FleetWise で車載カメラ画像をクラウドに送ってみた
AWS IoT FleetWise、画像データの取り込みに対応していたのか!正直知らなかった。この記事では、車輌データのマネージド収集・管理サービスである、AWS IoT FleetWiseに対して、車載カメラからの画像送信の方法が詳細に解説されています。
実際に車両に載せた車載カメラの様子(レゴで土台を組んでいる)なども紹介されているので、コネクテッドカーのデータ活用に興味があるかたは、是非こちらの記事を参考にしてみてください。
12/15 LangGraphのinterruptsでカスタムUIを返すHuman-in-the-Loopを試してみた
AIを利用する中でチャットUIは、ChatGPT登場時から誰しもが慣れ親しんでいるUIだと思いますが、ユーザーのシチュエーションによっては、チャット以外のUIが効果を発揮する場面も多いです。この記事では、LangGraphを利用したかなりリッチな動画解析UIの動作の様子が、動画で紹介されています。
LangGraphでこんなことまでできるんかいな!と驚きました。記事冒頭のClaude Codeの逆質問UIは自分もよく見ていたので、「なるへそなぁ〜」と感心するとともに、ユースケースに応じたUIの構築は、これからのAI利活用を製造業含む様々な人々にひろめていくにあたって必須の考え方だと思います。
LangGraphの可能性が垣間見える記事になっているので、LangGraphやAI利用ツールの実装に興味がある人は是非参考にしてみてください。
12/16 製造業のシステム開発になぜデザイナーが必要なのか?
製造ビジネステクノロジー部在籍のデザイナー、クボキヒロシによる、2つ目の製造業デザインネタです。
デザイナーというとどうしても「綺麗な見た目をつくる人」と考えがちですが、弊部のデザイナーの活躍範囲はもっともっと広いです。
そのデザインを作っていくためには周囲とどのような対話が必要なのか?どうやって得られた情報を整理するのか?デザイナーがこのフェーズに関わるメリットは?など、製造ビジネステクノロジー部におけるデザイナーの仕事について、詳細に語られています。
文中引用されているロッテ様事例も、このクボキがいたからこその素晴らしい結果だったと言い切れます。私はこの案件にプロジェクトマネージャーとして関わっていましたが、進行中めちゃくちゃ頼りにしていましたし、顧客からも頼りにされていました。
長年の経験が蓄積された製造業現場の棚卸しと情報整理、うまくいかないなと思われた方は、是非こちらの記事を参考にしつつ、「どうにもならん!」となったら、お気軽に弊社までお問い合わせください。
12/17 AIエージェントで実現する製造業のスマートデータワークフロー
re:Invent 2025で参加した製造業データワークフローに関する参加レポート。製造業は伝統的に扱うデータが製造現場以外にも多岐にわたり、これらデータを統合して活用するには従来大きなハードルがありました。
このセッションは、そんなサイロ化された製造業データに対して、それらデータをどのように構築するのか、キーとなるスキーマはなになのか、設計上の留意点などを解説しています。
チョークトークということもあり、会場からは非常に多く質問が寄せられていました。これら質問も非常に現実的なやりとりが多数あり、通常のブレイクアウトセッションには貴重な情報となっているので、製造業におけるデータ活用の勘所を知りたい方は、是非こちらの記事を参考にしてみてください。
12/18 NVIDIA GPU Operatorは何をしてくれるのか
エッジ環境のKubernetesにおいて、GPUワークロードをどう管理するかの話。自分、Kubernetesはいくらか触ったことはありますが、KubernetesからGPUを利用するにはこんなに面倒だということを初めて知りました。
NVIDIA GPU Operatorを利用することで、KubernetesによるGPU活用におけるペインポイントをKubernetesならではの方法で対応しているのが、興味深かったです。ドライバのコンテナ化とか考えたことなかったのですが、特権コンテナを使うというアプローチは目からウロコでした。
この記事ではさらに、EC2のGPU系インスタンスで実際にk3sのクラスターを作成しサンプルアプリケーションをデプロイして動作させています。GPU Operatorの有無により、設定手順がかなり異なっていることがわかります。GPU Operator、めちゃくちゃ楽です。普通にやっている手順が細かすぎて、涙が出てきますよ、コレ。
製造業におけるAI活用において、さまざまな制約からクラウドにアクセスすることが難しい場合もあります。そんな時の代替手段として、エッジ環境上でGPU活用が必要になる場面もあるのではないでしょうか。
設定手順や動作確認方法など詳細に記載されているので、Kubernetesを利用したGPU利用に興味があるかたは、是非参考にしてみてください。
12/19 オープンソースAIモデルの「SHARP」で生成AIで作成した画像を3D Gaussian Splatting してみた
3D Gaussian Splattingは、比較的データ量が少ない点群データからガウシアンと呼ばれる手法で滑らかな3D表現を実現する技術として、デジタルツインの中で注目されています。この記事では、弊社マスコットキャラクターの「くらにゃん」を利用して、MacBookProでガウシアンを作成し、Belnderで可視化する手順を解説しています。
実際にレンダリングされた内容をみるとめっちゃ滑らかで、「ガウシアン!!」と叫びたくなります。オープンソースのAIモデルを利用することで、こういう手法がとれることは驚きでした。デジタルツインの表現方法として全然知らないアプローチだったので、このあたり興味があるかたは参考にしてみてください。
12/20 工場においてデータ活用をするにはデータ品質の高さが重要であることを検証してみた
生成AIを使った技能伝承とデータ活用、近年非常によく出てくるキーワードですが、そのためにどのようなデータが必要なのか?具体的な例を元に検証されていて、AI活用の実際がわかります。
特に品質が悪いデータのほうは、回答に悲しくなる人も多いんじゃないでしょうか。せっかく大掛かりなAIシステムを導入しても、結果がこんなのでは切なくなりますね。
AI活用の仕組みも大事だけれど、その中に含まれるデータの品質がなによりも一番重要というのがよくわかる検証記事になっています。こういうシチュエーションにドキッとした方は、ぜひ一度この記事を読んでみてください。






