ドイツで14日間の自宅隔離とCOVID-19の進行とともに日本とヨーロッパをまたいだ実録

COVID-19の規制が広まった中で日本からドイツへ帰国しました。在独日本人の方に向けて、その際の状況や注意点をお伝えしています。
2020.04.10

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Guten Tag! ベルリンに帰還しました、伊藤です!(´;ω;`)ゝ

私用のため2月29日より日本に一時帰国していました。この1ヶ月の間に多くのことが変わり、一昨日なんとかベルリンに戻ってこれました。

恐らく私自身もう二度と体験することはないであろう稀なケースでしょうが、自宅隔離における対策と、目にした日本とヨーロッパの現状の違いをブログにアウトプットします。

ドイツ帰国後、14日間の隔離措置

まずは現状ですが、私たちはドイツ国外からの帰国者のため、帰国後14日間の自宅隔離期間があります。これは在ドイツ日本大使館にも掲載されていましたが、詳細は空港で紙きれを渡され、保健所(Gesundheitsamt)に電話するよう案内されました。

以下、受け取った用紙の抜粋&要約です:

海外帰国者は、空港から自宅まで真っ直ぐ家に帰り(咳や発熱などの症状がある場合は公共交通機関の使用不可)、帰宅後すぐに管轄の保健所へ連絡してください。14日間自宅隔離を行った上で、各種検診を受けて合格する必要があります。

当然、食料の買い物や少しの運動のための外出は許されているかと思いきや、一歩も外に出ることは許されていないそう。保健所から明示的に許可を得た場合を除き、自分たちが外に出ること、人を家の中に招くことは禁止されています。

空港から帰ってすぐに一番近い保健所に電話しましたが繋がらず、メールアドレスに連絡しました。すると自動応答が届き、郵便番号から管轄の保健所を調べられる検索ツールが載っていました。

正しい管轄の保健所へ連絡したところ、氏名、住所、連絡先、テレワーク(Home Office)しているか、咳や熱などの症状はないかといった質疑応答があり、担当の方はとても親切でした。(※保健所の電話担当の方々は比較的若い印象を受けました。ドイツ語が不安な場合、恐らく英語でも対応してもらえるかと思います...!)

その後、保健所からは毎日電話があり、変わらず症状はないか、自宅待機しているか確認されます。また連絡をした後に自宅隔離の終了予定日や詳細の書かれた手紙が届きました。テレワークができず自宅隔離による収入源があった場合の支給についても書かれていました。帰国者というより感染者への濃厚接触者に向けた手紙を一律で送っているようです。

自宅隔離の後半は電話がなく、終了日を過ぎても連絡がなかったので(毎日症状はないと答えていたから..?)こちらから保健所へ電話したところ、保健所の所属の医師から電話をするので、そこで許可が下りるまでは自宅隔離するよう言われました。
その後、担当の方から折り返し電話があり、症状はなく、14日間自宅にいて人に接触していないことを改めて確認され、「じゃあ自宅隔離は終了で、今日から外に出ていいですよ。ただし距離は保ってね。」と口頭で隔離期間終了の承認を得ました。特に隔離終了に関する書面が届くわけではなく、もし職場などから求められたら航空券など帰国日を証明するものを提示すれば良いとのことでした。

運動は家でなんとかするとして、買い物はどうすれば良いのか?

食料品や生活必需品の買い物は、オンライン(REWE LieferserviceEDEKA24Amazon FreshROSSMANN etc)でも間に合うかもしれません。

しかし、薬局での購入、犬の散歩など、どうしても外に出ざるを得ない用事はあると思います

保健所によると、友人や近所の人に頼ることができない場合、それらの代行を依頼できるボランティアのエージェントがあるそうで、以下3つの連絡先を教えていただきました。

※電話番号とメールアドレスはリンク先よりご確認ください。

電話の受付時間は月曜から金曜まで 10-14時、火曜と木曜は 10-18時。
オンラインフォームからも問い合わせ可能。

電話の受付時間は、月曜から土曜まで10-17時。
メールでも問い合わせ可能。

電話の受付時間は、月曜から金曜まで10-16時。
メールでも問い合わせ可能。

 

同ページから Hilfer/in の登録もできるようなので、気分転換に外に出かける理由が欲しい方は、ボランティア登録してみると良いかもしれません。(2mのソーシャルディスタンスは保ちましょう!)

実際に代行を依頼してみたら

1つ目の FreiwiligenAgentur に実際に問い合わせてみました。上記ページの「Klicken Sie hier, für den Hilfesuchende Fragebogen」のフォームから、住所を含む連絡先を記入し、「自宅隔離中のため、急ぎではないけど新鮮な食料品の買い出しが必要」、「来週の火曜日まで」といったことを書いて送ってみました。

FreiwilligenAgentur 問い合わせ画面

しばらくするとすぐに電話がかかってきて、「条件にマッチする人がいたから、電話番号教えるのであとは自分でやり取りしてください」と伝えられました。それから、手数料はかかるのか?それともヘルパーの方にチップとか渡した方が良いのか? と聞いたところ、お礼にチョコなどを渡すのは自由だけど、ボランティアのためお金は不要 とのことでした。

※その後、本人とやり取りし、買い物リストをメールに送り、家の扉の前まで買い物を持ってきてくださいました!買い物代金は口座振替でお支払いしました。Vielen Dank!!!

症状に不安があったらどこに連絡すれば?(ベルリン)

こちらも保健所の方から頂いた情報を共有します。

  • 熱や咳の症状があったら: まずはお近くのかかりつけ医(Hausarzt)に電話で相談しましょう。
  • 感染しているかもと感じたら: ホットライン(030-90 28 28 28)に電話をしましょう。

参考: Coronavirus examination centres in Berlin – Berlin.de

家で仕事や運動をするには?

私の場合、仕事は既にテレワークの制度が整っていたので、すぐに家で始められました。 本ブログのリモートワークシリーズでも多々取り上げられているように、正しい姿勢や、適切な休憩など、環境の質向上は皆さんのブログを参考にこれから整備します。

上記のシリーズでは、働き方のTIPSだけでなく、VPNによるリモートアクセス導入手順 (byトラン) Cloudflareでのリモートアクセス導入手順 (by しがひ) テレワークのAWS活用パターン集 (by吉井) といったテレワークを導入するための技術的なエントリもありますので、ぜひご参考ください。

 

運動は、仕事前・昼休憩・仕事後など、好きなタイミングで簡単な動画を見てやっています。昨年購入した Fire TV Stick で簡単に YouTube や Netflix をテレビで再生できるようになり格段に家庭生活の質が上がりました。運動系の動画やオンライントレーニングは様々話題に上がっていますが、基本的なラジオ体操もさることながら、ラテン系のダンスが楽しくて汗をかくのでオススメです!

日本からドイツへの渡航(2020.4.7)

ここでは渡航時に大変だったこと、注意点、そしてイレギュラーな様子をご説明します。

フライトの調整・払い戻し

元は4月1日に帰る予定でしたが、フライトの欠航や変更が3度ほどあり、結局1週間遅れることになりました。私が利用したKLMの場合、コロナの件により無料で別日さらに別経路の便に変更することができました。ただし、新しい便への調整にはサポートセンターへ長電話が必要でした。

一方、滞在中に大阪から東京へ移動するフライトも購入していましたが、こちらは外部の旅券販売代理サイトを経由して買っていて、キャンセルの返金ができませんでした。同じように代理サイトから購入して長距離便で航空券代を無駄にしてしまった友人もいたので、いくら代理店サイトで少し金額が抑えられるとはいえ、特に長距離便はこのようなケースに備えて航空券を正規の航空会社から購入した方が安全です。(※Expedia等の比較サイトは、購入画面で航空会社のページに飛ぶのでOK)

また、KLMの座席指定オプションが再チェックインにより二重購入されてしまいましたが、こちらはKLMカスタマーサポートのオンラインフォームで簡単にリクエストを送ることができました。

空港の様子

日本出国時、EU入域時とも滞在許可証の確認は入念に行われました。(※現時点で、有効なAufenthaltstitelがないと入国できずとんぼ返りになる可能性があります。

なお、私の出国した関西空港においては1日に1、2本程度しか旅客機が飛んでいない状況だったので、出発フロアはチェックインの始まる時間からカウンターが1つだけ開くくらいで、ほとんどスタッフの人が見えませんでした。

オプションやチェックインについて電話窓口の時間外に確認したく空港まで行ったんですが、この理由により無駄足になりました...空港内の店やレストラン等も早い時間にほぼ閉まっていたので、空港での食事についてはあらかじめ計画しておきましょう。

 

なお、こちらは行き(2/28)と帰り(4/7)の乗り換えのスキポール空港ですが、後者はすごいガラガラっぷりです。

2/28/20 AMS 空港 4/7/20 AMS 空港

帰りはすべてのベンチに間隔を取るよう対策がされていました。

4/7/20 AMS ベンチ

また、空港スタッフと接するカウンターやパスポートコントロール等は、ビニールが張られており、ビニール越しにやり取りが行われました。

フライトの様子

機内もガラガラだったため、前後左右の座席ブロックは空席になるよう配置されていたようです。離陸後すぐに温かい食事を提供してもらえましたが、それ以外に基本的に客室乗務員の方々が周回することはなく、座席にはあらかじめスナックや翌朝の食事が配置されいました。

(※サービスが制限されることは、あらかじめメールで通知されていました。)

4/7/20 フライト 4/7/20 フライトの食事

日本とドイツの様子の違い

スキポール空港、ベルリンの空港では、厳重にマスクを着け、扉はティッシュで開ける人などをよく見かけましたが、ベルリンの市内に戻ると、マスクを着用している人は少なく、意外と外出している人も多く、あまり普段と変わらないように見えました。

4/27(月)から、ベルリン州の制限措置で、公共交通機関および店内ではマスクを着用することが義務付けられたそうです。

ただし、ソーシャルディスタンスはかなり浸透しているようで、至る所に「2m (最低1.5m)の距離を保て」の表示がありました。

こちらは帰り道に見かけたスーパーですが、入場制限がされ、客が距離を保って列を成しています。

4/8/20 スーパー

日本では外出への自粛ムードがあり、よりマスクを着用している人は多かったですが、出国時点では緊急事態宣言が出ておらず、このような明確なルールはありませんでした。

海外居住の日本人なら在留届を提出しましょう

私も去年まで存在を知らなかったのですが、海外居住の日本人は居住を定めたらすぐに在留届を提出することが法律で義務付けられています。 この届け出では居住地や連絡先、緊急連絡先を登録することで、万が一の安否確認や支援に役立てられ、この対象には海外転勤・留学などの永住や長期以外の滞在も含まれます。短期の場合も同ページからたびレジへ登録できます。

この登録を行うことで、大使館や外務省からの災害等に関連する最新の対策情報をメールで受け取れます。

今回のコロナに関しては、日本へ/からの渡航に関する規制、ドイツ、およびベルリン州の規制の日本語翻訳、また相談窓口の情報など、最新情報が出るたびに通知が届き、非常に助かりました。

日本語・英語の参考情報

最後に、日本語・英語の関連サイトをご紹介します。

こちらで紹介する以外に、Facebook のパブリックなグループでも探せば日本語、英語とも様々ありますので、簡単な質問ならそこへ投稿するとすぐに答えてもらえます。個人情報の扱いには気をつけましょう!

また、「Migrationsberatung für erwachsene Zuwanderer (MBE)」という外国人移住者に向けた無償の相談サービスもあります。残念ながら私も使ったことはないので、あまりご紹介できませんが...。これは市民学校(VHS)へ通っていた時に教えてもらいました。残念ながら日本語はありませんが、英語を含む多言語対応で、滞在許可、住まい、言語支援、仕事/職業訓練(Ausbildung)、子育て・出産、法律に関する質問などなど、様々なことを相談することができます。MBEと検索すると多数出ますが、以下は代表的な2つです。外国人向けなのにサイトが英語じゃないので、Google Translateをご活用くださいませ。

日本語

英語

以上、似たケースの人がいたら、少しでも役に立つと幸いです!