
Claude Code v2.1.166〜v2.1.168 の主要アップデート
クラウド事業本部の石川です。Claude Code の v2.1.166 〜 v2.1.168(2026-06-05 〜 2026-06-06)のアップデートをまとめてご紹介します。今回はフォールバックモデルによる可用性の向上、権限制御まわりの強化、そして業務利用時の安定性に関わる修正が中心です。
アップデートサマリー
対象は 3 バージョン(v2.1.166 〜 v2.1.168、2026-06-05 〜 2026-06-06)です。具体的な変更が公開されているのは v2.1.166 で、新機能・権限/セキュリティの強化に加えて 14 件の不具合修正が含まれます。v2.1.167 と v2.1.168 はいずれも「バグ修正と信頼性の改善」とのみ案内されており、個別の変更内容は公開されていません。全体としては、フォールバックモデルによる可用性の確保、deny ルールやセッション間メッセージングといった権限制御の強化、業務利用での安定性・コストに直結する修正が軸となっています。
注目のアップデート
- 新機能: プライマリモデルが過負荷・利用不可のときに順番に切り替える
fallbackModel設定が追加されました(v2.1.166)。 - セキュリティ: deny ルールでの glob パターン対応、セッション間メッセージングの堅牢化、managed settings の無効エントリでポリシー強制が無効化される問題の修正と、権限制御がまとめて強化されました(v2.1.166)。
- 不具合解消: 処理できない画像によるエラーの再発と余分なトークン消費、リモートセッションの永久スタック、macOS での
bg-pty-hostプロセスの CPU 100% 張り付きが修正されました(v2.1.166)。
対象バージョンと期間
| バージョン | 公開日 |
|---|---|
| v2.1.166 | 2026-06-05 |
| v2.1.167 | 2026-06-06 |
| v2.1.168 | 2026-06-06 |
新機能
フォールバックモデル設定(fallbackModel)
プライマリモデルが過負荷または利用不可のときに、順番に試す最大 3 つのフォールバックモデルを指定できる fallbackModel 設定が追加されました(v2.1.166)。あわせて、--fallback-model がインタラクティブセッションにも適用されるようになっています。
例えば、プライマリモデル Opus 4.8 がダメなら Opus 4.7 に、Opus4.7 がダメなら Sonnet 4.6 に、フォールバックできるようになります。
claude --print \
--model claude-opus-4-8 \
--fallback-model claude-opus-4-7,claude-sonnet-4-6 \
"プロンプト"
モデルの応答が一時的に不安定な状況でも、自動的に代替モデルへ切り替えて作業を継続できます。Claude Code を業務フローに組み込んでいる場合に、可用性の面で恩恵があります。
セキュリティ・権限制御
v2.1.166 では権限制御まわりの変更がまとまって入りました。チームや組織で利用している場合に影響が大きい項目です。
deny ルールでの glob パターン対応
権限設定の deny ルールのツール名位置で glob パターンが使えるようになりました(v2.1.166)。"*" を指定すると全ツールを拒否でき、「まず全ツールを禁止し、許可するものだけを allow ルールで明示する」というホワイトリスト型の運用がしやすくなります。あわせて、allow ルールでは MCP 以外の glob を拒否し、deny ルールに未知のツール名が含まれる場合は起動時に警告するようになりました。
セッション間メッセージングの堅牢化
SendMessage で他の Claude セッションから中継されたメッセージが、ユーザー権限を持たないようになりました(v2.1.166)。受信側は中継された権限リクエストを拒否し、auto モードではブロックします。
権限を持つセッションが他セッションからの指示を本人の指示と取り違えて実行してしまうリスク(いわゆる「混乱した代理人(Confused Deputy)」問題)への対策と考えられます。
managed settings の不具合修正
エンタープライズ向けの managed settings について、2 件の修正が入りました(v2.1.166)。
- 無効なエントリが 1 つあると、残りの有効なポリシーの強制までもが黙って無効化される問題が修正されました。ポリシーが意図せず効かなくなる挙動のため、組織で統制を行っている場合は重要な修正です。
allowedMcpServers/deniedMcpServersの述語が${VAR}参照を使用するとマッチしない問題が修正されました。
改善・開発者体験
- thinking の無効化設定の適用範囲が拡大:
MAX_THINKING_TOKENS=0、--thinking disabled、モデルごとの thinking トグルが、Claude API 経由で既定で思考するモデルに対しても thinking を無効化できるようになりました(サードパーティプロバイダーの挙動は変更なし)(v2.1.166)。 - 非リトライ対象エラー時のフォールバック再試行: API が想定外の非リトライ対象エラーを返した場合に、フォールバックモデルで一度だけ再試行するようになりました。認証・レート制限・リクエストサイズ・通信エラーは従来どおり即座に表面化します(v2.1.166)。
claude updateの挙動改善: ダウンロード前に対象バージョンを表示するようになりました(従来は無言で進行していました)(v2.1.166)。claude agentsの絞り込み: リストで URL を入力すると、最初のプロンプトにその URL を含むセッションへ絞り込めるようになりました(v2.1.166)。
修正(主要なもの)
安定性・操作性に関わる修正を中心に抜粋します。
- 画像処理エラーとトークン浪費を修正: 処理できない画像を送信した際に「image could not be processed」エラーが繰り返し発生し、余分なトークンを消費していた問題(v2.1.166)。
- リモートセッションの永久スタックを修正: 起動時のワーカー登録中にバックエンドが一時的に中断すると、リモートセッションが永久に停止していた問題(v2.1.166)。
bg-pty-hostの CPU 100% 張り付きを修正: macOS で接続中にデーモンが終了した後、孤立したclaude --bg-pty-hostプロセスが CPU を 100% 消費し続けていた問題(v2.1.166)。- JetBrains IDE ターミナルのちらつきを修正: IntelliJ・PyCharm・WebStorm など 2026.1 以降で、同期出力(synchronized output)の有効化により解消(v2.1.166)。
- PowerShell コマンド検証のハングを修正: Windows で、終了させたプロセスの子が出力パイプを保持していると、コマンド検証が制限時間を大きく超えてハングしていた問題(v2.1.166)。
- worktree 上のエージェントのクラッシュループを修正: git worktree に入ったバックグラウンドエージェントを
claude agentsから再度開くと「No conversation found」でクラッシュを繰り返していた問題(v2.1.166)。 - このほか、Shift+非 ASCII 文字の入力、
/voice切り替え後の認証、トランスクリプト表示の重複、/doctorの診断結果、複数行入力時のカーソル位置、タスクリストの行間表示など、多数の細かな不具合が修正されています(v2.1.166)。
v2.1.167 / v2.1.168 について
v2.1.167(2026-06-06)と v2.1.168(2026-06-06)は、いずれも CHANGELOG に「Bug fixes and reliability improvements(バグ修正と信頼性の改善)」とのみ記載されており、具体的な変更内容は公開されていません。本記事では、内容が確認できる v2.1.166 を中心に紹介しています。
破壊的変更・非推奨
今回の v2.1.166 〜 v2.1.168 の範囲に、破壊的変更および非推奨化はありません。ただし、セッション間メッセージング(SendMessage)の権限の扱いが変わったため、複数セッションを連携させて自動実行しているワークフローでは、中継メッセージ経由の権限リクエストが拒否される点に留意してください。
最後に
今回の範囲では、v2.1.166 にフォールバックモデルや deny ルールの glob 対応といった可用性・権限制御の強化が入り、あわせて画像処理・リモートセッション・PowerShell・macOS まわりの安定性に関わる修正が行われました。v2.1.167・v2.1.168 は具体的な内容こそ公開されていないものの、信頼性の改善が継続されています。
特にチームや組織で managed settings による統制を行っている場合は、ポリシー強制が黙って無効化される問題が修正された v2.1.166 以降への更新をおすすめします。気になる変更があれば、アップデートして確認してみてください。
参考文献





