
【ブースレポート】AWS上で創薬ができる!?「Amazon Bio Discovery」のブースに行ってみた!
こんにちは!楠です!
新卒としてクラスメソッドにジョインして、もうそろそろで3か月がたちそうです
AWS Summit Japan 2026に参加してきたので、まだ参加したてホヤホヤの状態で、素早くブログを書いてみたいと思います!
今回は、その中でも「AWSってこんなこともしてるんや!」という気づきがあったので、それを紹介します。
それは 「Amazon Bio Discovery」 です。

実は大学では薬学部にいました。なのでこのサービスがより刺さりました!
Amazon Bio Discovery とは
まずは、AWS公式の説明を読んでみましょう。
原文(英語)を訳すと、こうなります。
Amazon Bio Discovery は、膨大な生物学データで訓練された「生物学的AIモデル」に、研究者が直接アクセスできるサービスです。これらの専門特化したAIモデルは、抗体医薬の候補を生成し、評価します。しかし、ただアクセスできるだけでは十分ではありません。AIエージェントが、研究目的に合ったモデルの選定・入力データの最適化・候補の評価を支援し、その後シームレスに提携ラボへ送って合成・試験を行います。試験結果は自動的にアプリケーションへ戻され、分析とモデルの改良に使われます。こうして「lab-in-the-loop(ラボ連携型)」の実験サイクルが生まれ、繰り返すたびに組織の知見が積み上がっていきます。
…はい。正直これだけ見ても何を言ってるのかわからないかなと思うので、
- そもそも薬を作るとはなにか
- AIをつかった創薬とは何か
- このサービスがあることでどう変わるか
- 実際に役に立っているのか
などを整理していきます。
そもそも、薬(抗体医薬)をつくるとは
このサービスは「抗体」という種類の薬を作るためのものです。抗体とは、ざっくり言うと 「病気の原因にピタッとくっついて、やっつけてくれるタンパク質」 です。新型コロナのニュースでも聞いた言葉だと思います。
これを薬にするには、「設計する → 実際に作って試す → 結果を見て設計し直す」をひたすら繰り返す 必要があります。
なお、設計や予測を計算機の中でやることを in silico、実際の細胞や試験管で試すことを in vitro と呼びます。創薬はもっと広い工程ですが、その途中ではこの2つを行き来しながら候補を絞り込んでいきます。これがわかっているとこれからの話がスムーズに入ってくるかなと思います。
近年は「AI創薬」が進んできた
従来、この「設計」は、研究者が経験と知識をもとに「こういう形ならくっつきそう」と考え、実際に作って試す…の繰り返しでした。でも1つ作って試すだけでも時間もお金もかかるので、試せる候補の数には限りがあります。
ここに AI が入ってきました。といっても、ChatGPTや画像生成のような いわゆる「生成AI」とは別物 で、生物学の膨大なデータで訓練された 機械学習モデル が主役です。
具体的には、
- タンパク質の立体的な形を AIが予測する
(有名なのが AlphaFoldで、2024年のノーベル化学賞 です!) - 狙った相手にくっつきそうな分子を、AIが大量に設計する
- その候補が「本当にくっつくか」を、作る前にコンピュータ上(in silico)で評価する
つまり、実験室に持ち込む前に 「設計 → 評価 → 絞り込み」をコンピュータの中で一気に回し、当たりそうな候補だけを実際に作って試す。これが AI創薬 です。
ループの「設計」パートが、人の手からAIへ大きく変化してきた、ということです。
Amazon Bio Discovery の Before / After
Before
研究者は次のものを ぜんぶ自前でそろえる 必要がありました。
- 計算環境 … モデルを動かすインフラを構築し、機械学習の知識で使いこなす
- モデルの目利き … たくさんあるモデルから適切なものを選び、組み合わせる
- 実験する場所 … 設計した候補を、実際の実験室(ウェット)で作って試す
このようにかなりハードルが高かったです。
After
Amazon Bio Discovery は、この バラバラでハードルが高いものをまとめて 提供してくれます。
Before と並べると、こう対応しています。
- 計算環境 → 用意済み
インフラも40種類以上のモデルも最初からそろっていて、自分で構築する必要がない。 - モデルの目利き → AIエージェントが支援
どのモデルが合うか、どこに結合させると良いか、業界のベストプラクティスをもとに提案してくれる。 - 実験する場所 → 委託できる
自前の実験室がなくても、提携している実験機関(CROネットワーク)に、画面からそのまま発注できる。価格や納期も見ることができます。
その結果、
これまで「自前のウェットラボ」と「計算基盤」と「専門人材」などが全部そろっていないと挑めなかったAI創薬に、もっと小さなチームでも参入できるようになるかもしれない
というのが、個人的に一番ワクワクしたポイントです。
たとえば創薬スタートアップが、巨大な研究設備を持たなくても、アイデアと専門知識さえあればこのループに乗って創薬ができる!そんなサービスだな、と感じました。
そして、実際に論文になっています
実はこの仕組みは、すでに 論文 になっています。
あるがんのターゲットに対して、このワークフローでゼロから設計したナノボディ(小型の抗体)が、実際の実験でちゃんと結合することが確かめられた、という内容です。
つまり、実際に使えることがちゃんと実証されている わけです。ここが個人的にいちばん信頼できると思ったポイントでした。
そして AWS公式によると、こうした開発の スピード感が大きく上がっている とのことで、従来の設計手法では 最大で1年ほどかかっていた工程が、数週間で完了した と紹介されています。
感想
AWSにはあまりバイオ系のイメージがなかったのですが、もう実際に論文にもなっているすごいサービスが出ていたのが驚きでした。これを使ってもっと研究が加速すると面白いですね。
これはAWSサミットに参加しないと知れなかったことなので行ってよかったです
今はお試しができるらしいので、また今度じっくり触ってみたいと思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!









