【書評】会社では教えてもらえない 仕事が速い人の手帳・メモのキホン #ビジネス書を楽しもう

2020.12.08

はじめに

せーのでございます。

誰にも知らせずまったり始めている「ビジネス書」アドベントカレンダー、本日は8日目です。

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本日は伊庭正康著「会社では教えてもらえない 仕事が速い人の手帳・メモのキホン」です。

今日はゴリゴリの仕事術本を選びました。社会人になると当たり前に携帯する「手帳」ですが、これほど傾向が分かれるアイテムもそうありません。マンスリーの手帳にプライベートの予定しか書かない人や今年こそは、今年こそはと毎年気合を入れて分厚く見た目のおしゃれな外国製の手帳を買っては結局Googleカレンダーに予定を書いたら満足してしまい、3月くらいから11月くらいまで真っ白の人。

ビジネス書マニアの間では「手帳は大事」というのはキホンのキ、でもあります。その点に置いてこの本は「キホン」と銘打っているだけあって、どうして手帳は大事なのか、手帳をどう使えば良いのか、といったキホンのテクニックが満載です。

著者の伊庭さんは営業畑、ということもあり、多少営業系によっている部分もあるのですが、全体を通してはエンジニアでも使える部分は多々ありますので、この本をじっくり解析して、手帳の使い方を学びましょう。

手帳は再来月のスペースまで埋める

手帳の一番のメリットは「先々の予定を整理できる」ということですが、手帳を普段使い慣れていない人は「1週間先〜2週間先の予定しか書かない」という特徴があるようです。これではやってくる業務をいくら速くこなしたところで残業はなくなりませんし、ましてや生産性を上げることは無理、とこの本は語ります。

いつも遅くまで仕事をしている人の手帳を見てください。見るのは、同じく1ヶ月後。そこには、ポツン、ポツン、といくつかの予定が書かれているだけでしょう。彼らは「予定は入ってくるもの」だと考えているので、忙しいといっても、実は目の前の仕事に追われているだけなのです。

手帳をうまく使う上で大事なのは「先々までのスケジュールを埋めてしまう」ということです。

2週間先くらいまでの予定しか書かないのは、「その先の予定が確実ではないから」だと思います。
その際にこの本が提案しているのは

  • ゴールから逆算してスケジュールを埋める
  • 仮スケジュールはフリクションで埋める
  • 先の予定が未定なうちにプライベートの予定を入れてロックしてしまう

ということです。これらは全て「能動的にスケジューリングを行う」と言い換えることが出来るかも知れません。降ってくる予定を降ってくるまで待って、降ってきた順に入れていくとこのようなことはできません。まず「予定は自分で組むもの」という意識を強く持つことでスケジューリングの仕方が自分中心に変わります。そうなると自然にそのスケジュールを管理する必要が出てきて、手帳が活躍する、というロジックですね。

時間を約束するときは、「先に自分の希望を示す」こと。具体的には「すぐに行きます」とは言わないこと。ちょっとしたことですが、これを続けていると必ず計画はガタガタと崩れます。

プライベートも含めて先に自分から予定を入れておくと「空いている時間」が明確になってきます。そうすると何かアポイントを取る時も「この時間に入るとちょうどいいな」という考えになり、計画的に仕事ができるようになるわけですね。

、3週間先までをあらかじめムリヤリにでも考えると、とてもきめ細やかな人になれる効果があります。「その先」のことを常に考える習慣が身につくのです。

「この先何が起きるのか」ということを予測しながら「決定ではない予定を入れる」ことにより、先を考えながら行動するようになるので、相手に気配りが出来る、とこの本は言います。とても営業らしい考え方だな、と思いました。

まず退社時間を決める

これも「ゴールを決めて逆算する」という考え方の応用ですね。その日の予定を決める時は「仕事の予定を入れて、全て終わったら帰る」ではなく「先に退社時間を決めて、そこに入るように仕事のスケジュールを組む」ということをこの本は提案しています。

これはアドベントカレンダーでは何度も出ていますが「デッドラインを決めて、走り抜ける」という考え方ですね。
また、このやり方をすると、自動的に大事なことも同時にできるようになります。それは「その仕事は何分かかるのか」がはっきりする、ということです。
手帳管理で大事なことは「始める時間」と「終わる時間」です。スケジューリングを逆算で組むことで「なるはや」といった曖昧なものではなく、何分で終わらせるんだ、という明確な目的ができます。これが生産性を上げるわけですね。

またこの本ではこの「仕事にかける分数」を「30分単位」で考えることを勧めています。つまり、30分、60分、90分、、、という枠で仕事をスケジューリングする、ということです。これはビジネス書マニアでは有名な「ポモドーロテクニック」と言われる仕事術ですね。人間の集中力は一般的に30分と言われているので25分集中したら、強制的に5分休憩することで、高い集中を維持しながら仕事ができる、という考え方です。この本ではこの30分、という単位を「◯時間、という単位で物事を考えるより◯分、という考えの方が体感速度が上がり、時間を効率的に使うようになる」という説明をしています。

予定の「目的」を書いておく

これは「会議」というような事象だけ書くのではなく、その横に「プロジェクトのヒントを得る」「商談をまとめる」などそのスケジュールの目的を書いておく、というテクニックです。

何の目的もなくミーティングに参加するようでは時間のムダでしかありません。自分なりの目的を持って参加することで、意味のある場となるのです。
たとえば、課長から事業の進捗を聞く場があるとするなら、他の部署での業務改善の成功例を聞き、「時短のヒントを得る」ことを目的とするのでもいいでしょう。となると、手帳の予定の「課ミーティング」の下あたりに、「ヒントを得る」と書いておきます。

仕事をする際に「なぜこの仕事をするのか」という事はついつい忘れがちになるポイントです。その場をついつい流してしまわないためにも、スケジュールを入れる際には小さく「目的」を書いておきましょう。

1日の予定が3件以上あるならウィークリータイプを使う

これも手帳を使うのになれていない人によくある話ですね。「自分が書き込む量と手帳のタイプが合っていない」というものです。

この本では目安として「1日の予定が3件以上あるならウィークリータイプを使う」と提案しています。
この本では全体を通して「スキマ時間を有効に使う」というのがテーマになっていますので、「自分はどれくらいスキマ時間があるのか」を目で判断できるようになるのは大事なことなんですね。

目で見えるスキマ時間の他に

  • お釣り時間: 予定を速く済ませ余裕ができた時間
  • 余裕時間: 予定より早く到着した時の時間
  • 空転時間: 移動等何もしていない時間に出来ることを考える

という3つの「スキマ時間」を見直すよう勧めています。
タスク管理をする上で「5分でできる仕事」を自覚しておくことはとても重要です。メールを返すのか、アイデアを考えるのか、執筆のメモをスマホに口で吹き込んだり、できることは意外とあったりします。この5分をうまく使える人が「仕事が速い人」なのかもしれません。

1週間は4日、1ヶ月は3週間で考える

これはつまり「本当の期限より前に"自分締め切り"を作りましょう」ということです。
一週間で終わる仕事なら4日で終わらせる予定でスケジュールを組めば「バッファ」が出来る、とこの本は言います。この考えは、毎回このアドベントカレンダーで出てくる「スラック」という考え方ですね。

「目標をそんなに前倒しになんてできるわけがない」などと思われる方もいらっしゃるかもしれません。安心してください。思っている以上に人は締切に合わせて、自分の仕事量を決めていることに気づくはずです。

これは心理学では「パーキンソンの法則」と言われるものです。「仕事の量は与えられた時間を満たすまでに膨張し続ける」というものです。他にも「収入が増えれば増えるほど出費も増える」というのも同じパーキンソンの法則です。
これは逆に言えば「目標が高ければ、どのようにその目標をクリアするか考えるので、自然と生産性が上がる」とも言えるわけです。
人間は用意した器に全て水を満たそうとします。であれば器を小さくしてあげればいい、ということですね。

自分に投資する時間を持つ

仕事に追われると、「本当はやりたかったこと」ができなくなります。これを「時間がないから」という理由で片付けることが多いですが、この本ではこの「やりたかったこと」をやる時間を「先に」「必ず」取ろう、と提案しています。

日々のスケジュールをこなしているだけではなかなか人間は成長しません。
そこで思い切って「自分の将来のためになる作業をする時間」を先取りしてしまうのが重要です。

未来への投資時間を確保すれば、今の仕事を別の角度から見られるようになりますし、また、同時に「憧れの自分」に少しずつ近づいている感覚を持てるようにもなります。

例えば海外で仕事ができるようになりたい、と思ったら毎日PM8時〜9時は英語をする、と決めてしまう。新しいプログラミングを覚えたいと思ったらその時間を朝でも夜でも最初に取る、ということですね。 最初のうちは結構戸惑います。ただ、スケジュールを管理できるようになると残業が減るので、自然と時間が取れるようになります。それを何に使うか、が大事なわけです。この本でも「どれだけ残業をしても未来につながるわけではありません。だから消費時間です」と書かれています。残業をせずに済んだ時間を自分に投資すると、それが将来のキャリアアップに繋がり、結果的に自分に還ってくるのですね。

ちなみに英語や専門書を読む、などの所謂「努力」じゃなくても、例えば「睡眠」や「映画」などでも自分への投資になります。避けたほうがいいのは「何となくなにかしている」ということです。スマホをいじって何となくSNSを見ている、というような時間は消費時間と捉えられるでしょう。

必ず振り返る時間を持つ

これは手帳管理に置いてとても大事なことです。書きっぱなしにするのではなく、予定どおりにできたのか、できなかったら何が原因でできなかったのかをはっきりさせておくことが大事です。

一つ一つのタスクに時間がかかりすぎたのか、所要時間の見立てが甘かったのか、想定外のタスクが入ったのか。

検証することで時間管理の精度が高まる、とこの本は言います。

実行、検証、改善。仕事管理でも、自分の管理でもやる内容は同じですね。

将来の夢、現在の愚痴も手帳に書こう

手帳に書く、という作業は「アウトプット」と呼ばれます。アウトプットすることは、言い換えると「脳みその中にある考え事を外に出して確認する」という作業です。

将来の夢は手帳に書いておきましょう。1年後、5年後、10年後どうなっていたいか、を具体的に書くことで、そこから逆算して、自分の今やるべきことが明確になってきます。

これは前回の本でご紹介した「一貫性のコミットメント」という心理学的要素も後押しします。紙に書いたコミットメントはより一貫性の原理が働きやすくなるのです。

逆に今抱えている不安や愚痴も手帳に書いてしまいましょう。そうすることで精神的にもスッキリしますし、目で確認することで意外と解消法が見つかったりします。

愚痴は無防備にSNSやブログに書かず、手帳に吐き出そう」とこの本は勧めています。

まとめ

以上、今日は「会社では教えてもらえない 仕事が速い人の手帳・メモのキホン」をご紹介しました。

仕事術、スケジュール管理においてとても大事な事が解りやすくまとまっていて、ビジネス書はあまり買ったことがない、という人の手始めとしてはうってつけの本かと思います。

それではまた明日、お会いしましょう。