【書評】頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか? #ビジネス書を楽しもう

2020.12.10

はじめに

せーのでございます。

誰にも知らせずまったり始めている「ビジネス書」アドベントカレンダー、本日は10日目です。

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本日は高橋政史著「頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?」です。

実はこの本が、私がビジネス本マニアとなるきっかけとなった本です。
それまでもビジネス本や仕事術と呼ばれるものは目にはしていたのですが、この本を読んで「主張に説得力を持たせるにはテクニックがあるんだ」という感想を持ち、「ビジネス本」と呼ばれるジャンルの奥深さにハマっていったのです。

この本はあらゆるテクニックを使って書かれています。
もちろん内容も素晴らしいテクニックを教えているものなのですが、本の構成であったり、書き出しの方法であったり、文字の大きさ、図表の入れ方、フォントの変え方、、、最初から最後まで徹底的に「ノートのとり方で人生は変わる」という主張を肉付けし続けています。この本を最後まで読んで、著者の言ってることは正しいと言わない人なんているのか、というくらいの説得力があります。

では今日はそんな私にビジネス書を楽しむきっかけを与えてくれた本「頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?」をご紹介します。

「方眼ノート」を使うのは「フレーム」が作りやすいから

「普通のノート」と「方眼ノート」はどう違うのでしょう。改めて見てみましょう。

こちらが普通のノート。

そして、こちらが方眼ノートです。

明らかに違うのは「縦に線が入っている」ということです。縦に線が入っていることで

  • 行頭を合わせやすくなる
  • 四角(◻)をノートに書きやすくなる

という利点が上げられます。この「四角を書ける」という事が方眼ノートの最大の強み「フレームを作りやすくなる」ということに繋がります。

フレーム」とは思考整理の本棚、とこの本は言います。
頭の中にある知識や情報をきちんと区分けされた「フレーム」に整理されていれば、必要な時に必要な情報をすぐに取り出す事ができます。
このフレームを表現しやすいのが「方眼ノート」というわけです。

フレームの作り方は目的によって違います。なので自由自在に区分けができる方眼ノートは学生から社会人まで幅広くおすすめされています。
この本では「勉強ノート」「仕事ノート」「プレゼンノート」と3つに分けて、それぞれの目的にあった方眼ノートの使い方を教えてくれます。

フレームの基本は3分割

勉強ノート、仕事ノート、プレゼンノートと用途によってフレームの分け方は違うのですが、共通することは「ノートを3つに区切る」ということです。
このフレームの分け方をこの本では「黄金の3分割」と呼んでいます。

この黄金の3分割はノートを

  • Fact
  • Point
  • Action

の3つに分けます。
東大合格生ノート(板書、気付き、要約)、マッキンゼーの「マッキンノート(空、雨、傘)」、アクセンチュアの「ポイントシート(事実、解釈、行動)」、コーネル大学の「コーネルノート(板書、気付き、要約)」、それぞれによって呼び名は違うのですが、考え方は同じです。つまり、「まず事実を押さえ、そこから展開させたい考えを書き、最終的に結論に発展させる」という思考の流れをノートに表現するわけです。

また、勉強系のノートでは見開き1ページで、仕事系ノートではノートを横にして使います。この本によると人間の思考は「目の構造」に左右されるので、横長の方が全体を把握するのに向いているのだそうです。情報が多い場合は特に全体を把握した上で個別の事象に注目する事が求められるため、横長で大きめ、でも視界におさまるA4サイズに情報を書き込むと効率がいいそうです。

ダメなノート8パターン

一方ダメなノートのとり方はどういうものでしょうか。この本ではダメなノートのとり方を8パターンに分けて紹介しています。

  • 第一印象がきたない。見返す気にならない。
  • A6以下、メモ帳サイズなどで小さい
  • 4色以上ペンを使っている
  • あれもこれも、とりあえず書き込んである
  • 黒板、ホワイトボードに書かれたものを丸写ししただけ
  • 余白がなく、びっしり詰めて書いてある
  • 図、表、絵、グラフなどがなく、文字だけで書かれている
  • 見返しても内容を再現できない

色を使いすぎると良くない、小さすぎる、余白がないと理解が遅くなる、というのはよく聞く話ですね。こうやってまとめると良くないことはわかるのですが、実際のノートを見直すと、ついつい文字だけが書かれていたり、びっしり詰めて書いてあったりします。

これは要するに「見返した時に一発で内容が理解できるほど整理されていれば、書いている時点で頭が整理されている」ということなのだと思います。

勉強する時は「溜めるノート」仕事では「捨てるノート」

この本で一番面白い、と思ったのは、勉強する際にとるノートと、仕事で状況を整理するために使うノートでは、似たフレームを使っているのに、用途が真逆であることです。

勉強する際の目的は「内容を覚えること」です。なのでノートでは一番大事な「気づき」を中央に、左に事実を、右に整理した内容を書いて、左から順に見直していくと事象の背景から結論までがストーリーとして頭に入るようにすることが大事です。

一方仕事での目的は「結論を導き出すこと」です。結論に至るまでのプロセスはあくまで「思考過程」であり、結論が導き出せた時点で要らなくなるものです。いわば頭の中を紙に書き出す、という作業で、紙の上を整理して「いるもの」「いらないもの」を即座に判断できるような整理ができるようになると、同時に頭の中でも最速で課題解決への取捨選択が出来るようになっていくわけです。

本の中ではストーリーを作るための矢印のかき分け方や接続詞の使い方、課題の本質を深堀りするための「なぜ5回」など、実践的なテクニックが沢山書かれています。

プレゼンノートで相手に伝わる書き方

プレゼンノートはその名の通り「プレゼンとして使えるレベルに整理されたノート」です。
人に伝えるためのノートですので、どの部分を強調するか、それをどう演出するか、というのが重要になってきます。
その「演出テクニック」としてこの本では4つの効果を紹介しています。

ビフォーアフター効果

強調したいメッセージがなかった時とあった時のギャップを強調して演出する手法です。通販やチラシなどでよくありますよね。
「3ヶ月で-15kg」「1時間かかったものが10分に短縮」など、ビフォーとアフターを数字などを使って明確に書きます。
AWSのカンファレンスでも「去年から100以上の機能が増えました」など、よく聞きますね。これもビフォーアフター効果です。 比較する軸を描くことが強調できるポイントです。

ウォーターフォール効果

データを時系列に並べ、階段状に表現する手法です。人間は段差に反応するので、時間を経るごとに積み重なっているようなデータを伝えたい時には効果的な方法ですね。「毎年130%成長している」というようなデータは棒グラフを階段状に並べて魅せる、などです。
ここでのポイントとしては「一番重要な箇所を強調する」ということです。毎年成長しているのであれば、当然今年の成長率や来年の成長予測などを赤字にする、というような工夫をするとより伝わるようになります。

ピラミッド効果

三角形を書いて分割することで「頂点」に向かってステップを登っていくような印象を植え付ける手法です。企業のビジョンや戦略を説明する時によく使います。

ゴールに向かっていくプロセスをひと目で印象づけるためにはこういう書き方もあるんですね。

ビルディング効果

2つのデータを棒グラフで並べ、その高低差でメッセージを強調する手法です。沢山のデータの中でこのデータを伝えたい、という時は、対比する対象を探して、高低差のあるビルのようなグラフで表現することで、よりヒトの印象に残るものになります。

まとめ

以上、今日は「頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?」をご紹介しました。

大事なことは「3分割する」「それぞれを接続詞や矢印でつなげる」「ストーリーを作り上げて、結論を導き出す」ということです。
その目的は勉強と仕事では全く違いますが、結果的に手法がおなじになる、というのは興味深いですね。

それではまた明日、お会いしましょう。