AWS全サービスまとめ に全AWSサービス名前空間をそっと添えてみた

コンバンハ、千葉（幸）です。

年初の定番、AWS全サービスまとめの 2022年版を皆さんはもうご覧になったでしょうか。

ここでは AWS マネジメントコンソールから確認できる「サービス」をベースにまとめており、今回は 223 個のサービスが紹介されました。

223 個、多いですね。

ただ皆さんご存知の通り、2021年末の時点で AWS サービス名前空間は 300 個あります。AWS サービス 223 個に対して名前空間 300 個……その対応状況がどうなっているのか？気になった方もいるのではないでしょうか。

きっと世界中に 6 人くらいはそんな人がいると思うので、その中の 1 人としてまとめを作ってみました。

AWS サービス名前空間とは

2021年末にひっそりと以下のエントリを書きました。ここでは AWS サービス名前空間をベースに一覧を作っています。

AWS サービス名前空間とはなんぞやという詳細は上記のエントリに譲りますが、ざっくり以下の機会で用いられます。

• ARN の一部
  • 例：arn:aws:ec2:region:account:vpc/vpc-11223344556677889
• IAM JSON ポリシーの Action / Condition 要素のサービスプレフィックス
  • 例：ec2:CreateVpc
• （AWS CLI のコマンド）
  • 例：aws ec2 create-vpc

上記の例はいずれも Amazon VPC に関するものです。ただ AWS サービス名前空間に該当するのはvpcではなくec2となっている部分です。

このように一般的な AWS サービス名と AWS サービス名前空間が一致していないケースはままあります。ひとつの AWS サービスに対応する AWS サービス名前空間が複数あることもあります。

AWS CLI のコマンド名は AWS サービス名前空間になっていることが多いですが、いくつか例外があるためカッコ付きで表現しています。

AWS サービスと AWS サービス名前空間の対応表を確認する前に

このあとに対応表が登場するのですが、先に見方を記しておきます。以下のように 6 列からなります。

• カテゴリ
• 2022
• AWSサービス名
• 名前空間
• 2021
• 参考

カテゴリ

ベースとなる「AWS全サービスまとめ」に記載のカテゴリに準拠してカテゴリ分けをしています。日本語だと長くなってしまうので英語に変換しています。

2022

【2022】AWS全サービスまとめをベースに、以下のいずれかを付与しています。

• Up（Update）
• New

ここで New が付与されたものがすべて 2021 年に追加されたことを表すわけではありません。2020年末に追加されたものも含まれています。

AWSサービス名

【2022】AWS全サービスまとめに記載の AWS サービス名を記載しています。ひとつの AWS サービス名に対応する AWS サービス名前空間が複数ある場合、この列の行を増やして二行目以降を〃で表現しています。

先程の「2022」という列はこの列とのみ紐づきます。「2022」列が空欄でなく、「AWSサービス名」列に〃が入る場合には「2022」列にも〃を埋めています。

名前空間

「AWSサービス名」列の AWS サービスに対応する AWS サービス名前空間を記載しています。何をもって「対応」しているとするかは、わたしの主観が入っています。

例えばmediaimportという名前空間は Amazon RDS に対応するものとしています。これは、Amazon RDS Custom for Oracle を使用する際にmediaimport:CreateDatabaseBinarySnapshotというアクションの権限が必要になることに由来します。

2021

AWS サービス名前空間が 2021 年に追加されたものである場合、この列で「N（New）」を記載し対応するアップデートをリンクしています。

この列が紐づくのは「名前空間」列のみとなります。「サービスとしては新しいが名前空間は既存のものを使用」という場合には「N」は記載していません。

参考

AWS サービス名と AWS サービス名前空間を対応させる際に、ソースとして参照したドキュメント・リファレンスのリンクを記載しています。

AWS サービスと AWS サービス名前空間の対応表

一覧を記載します。

とにかく縦に長いです。先述の「見方」を見ながら眺めてみてください。

AWS全サービスまとめに対応する AWS サービスが登場しない AWS サービス名前空間

上記の一覧に上手く当てはめられなかった AWS サービス名前空間の一覧を示します。

ここでの「AWSサービス名」は以下コマンドの結果をベースにしています。

• get-service-last-accessed-details — AWS CLI 2.4.9 Command Reference

対応表を作成する際に参考にした資料

名前空間から AWS サービスを調べる

先ほど取り上げた以下コマンドを使用し、名前空間とセットになっている AWS サービス名を確認します。

• get-service-last-accessed-details — AWS CLI 2.4.9 Command Reference

先ほども例に取ったmediaimportで言えば、サービス名はAmazonMediaImportです。

上記のサービス名を以下のリファレンスから検索し、詳細ページを確認します。

• Actions, resources, and condition keys for AWS services - Service Authorization Reference

↑詳細ページの上部に関連するドキュメント/リファレンスへのリンクがあるため、ここから遷移します。

AmazonMediaImportでは Amazon RDS のドキュメントに飛ばされるため、RDS に関連する名前空間であることが推測できます。

RDS ドキュメントの中でもmediaimportに関する記述が出てくるページを選んで飛ばしてくれるわけではないので、詳細は頑張って探索する必要があります。

AWS サービスから名前空間を調べる

AWS ドキュメントから見ていきます。

大抵の AWS ドキュメントでは「Security」といった名称の章が用意されており、その配下に「Identity and access management」という節があることが多いです。（いきなり「Identity and access management」が登場することもある。）

そこを掘っていくと名前空間がそのまま書かれていたり IAM ポリシー例が記載されていたりするので判断の材料になります。

まとめ

AWS全サービスまとめに全 AWS サービス名前空間をそっと添えてみました。

223 個の AWS サービスだけでお腹いっぱいですが、さらにおかわりして 300 個の AWS サービス名前空間も堪能してみました。

そして細かいことを言うと、実はこのエントリに登場する AWS サービス名前空間は 300 個より多いです。以下の AWS CLI コマンドの組み合わせで取得できるものは現時点でも 300 個なのですが、ここに現れてこないものを見つけてしまいました。（m2,amscm,awsskme）

• generate-service-last-accessed-details — AWS CLI 2.4.7 Command Reference
• get-service-last-accessed-details — AWS CLI 2.4.7 Command Reference

こんなこと気にして何になるの？と聞かれると苦しいのですが、新しいサービスや新機能が増えたときに「AWS サービス名前空間も増えたかな？」と思って調べたりすると満ち足りた気分になります。

直近では「CloudTrail Lake」という新機能が追加されましたが、当然わたしは調べて満ち足りた気分になりました。

名前空間は従来のcloudtrailのままで、リソースタイプとしてeventdatastoreというものが増えていました。

• Actions, resources, and condition keys for AWS CloudTrail - Service Authorization Reference

こういうのを調べて「たのしー」と思ったりしましょう。 AWS サービス名前空間を気にする人がひとりでも増えていたら幸いです。

以上、 チバユキ (@batchicchi) がお送りしました。