Proflly で取り組んでいる「KAIZEN アワー」について紹介します(月刊Proflly2022年4月号)

ちょっと気になってるけど時間があるときに修正しよう。「時間があるとき」はなかなかやってこないので、KAIZEN アワー始めてみませんか?
2022.04.26

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Proflly チームの坂井です。 私たちのチームでは、 Proflly というプロフィールビューアーサービスを開発・提供しています。

月刊 Proflly の前回エントリでは「同僚の詳細検索機能」、「アクティビティ画面」等のアップデート内容を紹介させていただきました。

「同僚の詳細検索機能」「アクティビティ画面」を追加。Profllyのアップデートを4点紹介します(月刊Proflly2022年3月号)

本エントリでは、Proflly の開発において、チームで取り組んでいる KAIZEN アワー という活動について紹介させていただきます。

KAIZEN アワーとは?

Proflly チームが取り組んでいる KAIZEN アワーとは、

  • 気になっていたけど、着手できてなかった改善
  • 直接サービスの機能には関係しないけど、開発体験の向上つながる対応
  • この先のサービス開発において必要になるかもしれない知識や技術の素振り
  • せっかくやってみたのに書けていなかったブログの執筆
  • ・・・

といった対応を、週に1時間の枠を設けて対応する活動です。チームメンバーの参加については、任意参加としているので、自身の都合に合わせて、参加を決めることができます。 活動にあえて時間枠を設けて実施しているのは、サービスやプロダクト開発において、機能開発や運用に時間を取られて「時間のあるときにやろう!」と思っていたけど、結局対応できていない・・・そういったタスクに着手するために、チームで週に1時間対応すると決めました。

活動時は、自分自身が実施したいタスクや対応を事前に宣言して、対応を進めます。時間内にすべての対応を完了させる必要はなく、次回の KAIZEN アワーの時に続きを実施する、実施が完了したとこまでを記録に残しておく等の対応を行うことで、完了を必須とはしていません。

こういったルールをチームでアップデートしながら、KAIZEN 活動を継続的に行っています。

KAIZEN した内容

これまでの KAIZEN アワーで実際に KAIZEN した内容についていくつか紹介させていただきます。

各種ミドルウェアのバージョンアップ

Proflly ではインフラの管理の一部に AWS CDK を利用しているのですが、新機能に Hotswap deployments という機能が実装されました。 この機能を使って、開発を進めたいというモチベーションで、AWS CDK のバージョンアップに取り組みました。 バージョンアップ後は、開発時のデプロイ時間が短縮されることにより、開発体験の KAIZEN につながったと思います。

AWS CDK 以外にも、Node.js、OpenSearch、Nuxt.js、TypeScript など様々なミドルウェアのバージョンアップも適宜実施し、KAIZEN につなげています。

技術調査

今後使うかもしれない?課題の解決になるかも?といった技術の調査を行いました。 例えば、フロントエンドのパフォーマンス対策の1つの対応案として、SSR を利用したいと考えた時に、Amplify Console だと Next.js なら SSR がやりやすそうだと調査してみたり、将来的にレコメンド機能を実装したいと思っていて、Amazon Personalize が使えないだろうか? Elasticsearch の More Like This Queryが使えないだろうか?などを調査することで、将来的にアーキテクチャの変更を考えたりする時や新たな機能の実装に備えることができました。

ドキュメントの整備

機能を実装したり、更新したりすることで、オペレーションの手順についてドキュメントが新たに必要になったり、既存の手順を修正したり、といったドキュメントの整備を実施しました。実装が落ち着いてから対応しよう、時間がないから後で対応しよう・・・と対応がおろそかになってしまいがちなドキュメントの整備ですが、時間を設けて対応することにより、実装とドキュメントの乖離を小さく抑えることができました。こういった積み重ねで開発や運用の KAIZEN につなげることができています。

エラー通知メッセージのカスタマイズ

Proflly では CloudWatch Logs にアプリケーションのログを出力をしているのですが、error ログや warning ログが出力された際に気づきやすいように、サブスクリプションフィルタを使って、Slack に通知するように設定しています。その通知メッセージに対象のロググループへのリンクを含めているのですが、時間が経ってから確認する際に、どのログストリームに出力されているかがわかりにくいので、リンク先をロググループへのリンクから対象のログストリームへのリンクに修正しました。 この対応により、ログストリームを探す手間が省け、運用を KAIZEN することにつながりました。

Lambda Insights の有効化、Provisioned Concurency の設定

各 Lambda 関数のモニタリングを強化するために、Lambda Insights を有効化したり、一部の Lambda 関数のパフォーマンス問題を改善するために、Provisioned Concurency を設定しました。 この対応により、パフォーマンスを可視化することができたり、一部の処理のパフォーマンスを KAIZEN することができました。

おわりに

今回は、Proflly チームで実施している、KAIZEN アワー について紹介させていただきました。 Proflly に限らず、プロダクト開発やサービス開発において実施できるような活動ですので、ぜひお試しいただけると幸いです。 Proflly は、今後もよりよいサービスに KAIZEN していきますので、今後とも Proflly をよろしくお願いします。

参考

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